神戸高速線も「ホームドア」整備へ 阪神・阪急・神戸電鉄がバリアフリー料金導入



阪神電鉄・阪急電鉄・神戸電鉄の3社は4月30日、神戸高速線の各駅でホームドアなどの安全設備の整備を推進すると発表した。鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、同線の運賃を実質値上げする。

神戸高速線の高速神戸駅。【撮影:草町義和】

バリアフリー料金は来年2025年1月から導入の予定。定期外は1乗車10円を加算し、定期は通勤定期の場合、1カ月で380円、3カ月で1080円または1090円、6カ月で2050円または2060円を加算する予定だ。通学定期は加算しない。

普通運賃の場合、1区(1~3km)は現行130円のところ140円に値上げ。2区(4~6km)は現行150円のところ160円になる。通勤定期運賃(1カ月)は1区で現行4960円から5070円に値上げされ、2区は現行5460円から5840円に値上げされる。

神戸高速線の現行運賃とバリアフリー料金加算後の運賃。【画像:阪神電鉄・阪急電鉄・神戸電鉄】

神戸高速線は東西線の西代~元町5.0kmと高速神戸~神戸三宮2.2km、南北線の新開地~湊川0.4kmで構成される地下線。神戸市などが出資する第三セクターの神戸高速鉄道が第3種鉄道事業者として施設を保有し、3社が第2種鉄道事業者として神戸高速鉄道から施設を借り入れて運営している。

3社の運営区間は阪神電鉄が西代~元町、阪急電鉄が新開地~神戸三宮、神戸電鉄が新開地~湊川。このほか、山陽電鉄の列車が阪神電鉄の運営区間に乗り入れている。3社は昨年2023年4月からバリアフリー料金を導入しているが、神戸高速線には導入していなかった。

3社によると、神戸高速線のおもな駅ではエレベーターや誘導ブロック、バリアフリー対応のトイレを整備済みだが、ホームドアは未整備だ。バリアフリー料金の設定日や整備計画など詳細は検討中。詳細が決まり次第、バリアフリー料金制度に基づく整備計画などを近畿運輸局に届け出るという。

3社は「お客様のご負担も得てバリアフリー化を促進する制度である『鉄道駅バリアフリー料金制度』を活用することで、神戸高速線各駅においてホームドア等を整備し、より安全・安心にご利用いただける環境の実現に努めてまいります」としている。

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