リビアの鉄道「工事再開」動き高まる 中国企業と覚書締結



内戦の影響で中断しているリビアの鉄道建設プロジェクトが再開される可能性が高まっている。リビア鉄道と中国国有企業の中国鉄道建築集団(中国鉄建)が出資する中国土木工程は、工事の再開に関する覚書を締結した。

リビアの砂漠地帯を走る列車のイメージ。【作画:さかいあきよ】

この覚書は7月12日に中国の北京で開催された世界高速鉄道会議のなかで締結された。この会議では、リビアの首都・トリポリから西に進んでチュニジア国境のラス・エジュデルを結ぶ約170kmの路線、トリポリから東に進んでスルトに至る約470kmの路線、ミスラタから南下してセブハ付近の鉄鉱地帯を結ぶ約810kmの路線について、工事再開が議論されたという。

工事の再開が議論されたリビアの鉄道(赤)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

リビアではイタリアが支配していた時代の1912年、トリポリで鉄道が開業。のちにベンガジでも鉄道が整備されたが、独立後の1965年までに全廃された。2000年代には鉄道の整備計画が動き出し、2008年以降、ロシア鉄道と中国鉄建が建設を請け負って工事に着手。しかし2011年の内戦の影響で工事は事実上中断している。

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