東アフリカ内陸国のウガンダ政府は10月14日、トルコの建設大手企業「ヤピ・メルケジ」と標準軌鉄道の建設契約を締結した。11月にも着工し、4年後の完成を目指す。

ウガンダ標準軌鉄道は、ウガンダ国内に全長約1700kmに及ぶ交流電化鉄道のネットワークを整備するプロジェクト。ケニアの標準軌鉄道に接続し、南スーダンやルワンダへの乗り入れも考えられている。2本のレール幅(軌間)は日本の新幹線と同じ1435mmの標準軌を採用する。最高速度はコンテナ貨物列車が100km/hで、旅客列車は120km/h。
今回の契約では、ケニア国境のマラバと首都カンパラを結ぶ約270kmの区間を建設する。建設費は約27億ユーロで、工事が順調に進めば2028年に完成する。契約の締結に際し、ウガンダ政府は「交通インフラの改善における重要な一歩。首都~ケニア国境の貨物・旅客の迅速・効率的な移動を促進する」と発表。ヤピ・メルケジの副社長は「このプロジェクトで輸送コストが削減され、ウガンダとその近隣諸国の経済的潜在力が解き放たれるだろう」と述べた。

ウガンダでは英国の植民地時代に鉄道が整備された。ケニアの鉄道と接続しており、インド洋の港湾都市であるモンバサに乗り入れて海外への物流ルートを構成している。軌間が1000mm(メーターゲージ)の狭軌で、施設の老朽化やメンテナンス不足も相まって輸送力が低下しており、物流コストの増大が課題になっていた。
こうしたことからケニア・ウガンダの両国で標準軌鉄道の整備が計画された。ケニアでは2017年、一帯一路政策を掲げる中国の融資によりモンバサと首都ナイロビを結ぶ標準軌鉄道が開業。ナイロビからウガンダ国境まで延伸することも計画されている。
ウガンダでは2015年、ウガンダ政府と中国企業の中国港湾工程公司(CHEC)が標準軌鉄道の建設協定を締結した。CHECが中国政府から資金確保の強力を受けることが条件だったが、その後進展がなく、ウガンダ政府は昨年2023年にCHECとの協定を破棄していた。
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