ライトライン「西側の東武乗り入れ」関係3者協議へ 栃木県知事が方針



栃木県の福田富一知事は11月27日、宇都宮の軽量軌道交通(LRT)「ライトライン」の東武宇都宮線への乗り入れを目指し、来年度2025年度から関係者間の協議を進める考えを明らかにした。

東武宇都宮線の列車(右下)とライトラインの電車(左上)。【撮影:鉄道プレスネット(ライトライン)・草町義和(東武宇都宮線)】

福田知事は栃木県知事選(11月17日投開票)でライトラインと東武宇都宮線の乗り入れを公約に掲げ、6期目の当選を果たした。

今後の検討スケジュールについて福田知事は、11月27日の定例記者会見で「これから東武と接触して、いつごろからどういう段階で、3団体(栃木県・宇都宮市・東武鉄道)でどういうレベルの、事務レベルでいくのか、ある程度の地位の者でいくのか共有しながら、(協議の)構成と時期について年内(2024年)に詰めていくことになると思う。新年度(2025年度)には具体的な動きを持てるようにしたい」と話した。

ライトラインは昨年2023年8月、宇都宮東部エリアの宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地14.5kmが開業。宇都宮駅から宇都宮西部エリアの大谷観光地付近まで約8kmの延伸も検討されている。宇都宮市は検討区間のうち宇都宮駅東口~教育会館付近の約5kmを当面の整備区間に位置づけており、2030年代前半の開業を目指している。

ライトラインの西側延伸ルート。東武宇都宮駅はライトラインのルートから200mほど離れている。【画像:宇都宮市】

ライトライン西側延伸ルートの整備区間は宇都宮駅から西に延びる大通り上に軌道を敷設することが想定されており、東武宇都宮線の終点・東武宇都宮駅は大通りから南に200mほど離れている。同駅は東武グループの商業施設「東武宇都宮百貨店」と一体化しており、駅施設の大通り側は百貨店の施設にふさがれた格好となっている。

ライトラインは設計段階から周辺の鉄道路線への乗り入れを想定しており、軌間は東武宇都宮線と同じ狭軌(1067mm)を採用。その一方で架線電圧やホームの高さなど東武宇都宮線とは規格が異なる部分もある。こうした課題をどう解決し、解決のための費用を誰がどう負担するかが協議の焦点になりそうだ。

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