JR東日本「East-i」後継の新幹線検測車を導入へ 秋田新幹線の次期車両ベース



JR東日本は10月7日、「新たな新幹線専用検測車」を導入すると発表した。現行の電気・軌道総合検測車のE926形電車「East-i」の後継となるもの。2029年度の検測開始を予定している。

現在の新幹線電気・軌道総合検測車のE926形「East-i」。【画像:たもぞう/写真AC】

車両形式はE927形。E6系電車の後継となる「次期秋田新幹線車両」をベースに開発するが、次期秋田新幹線車両は概略などがこれまで発表されていない。JR東日本はE927形と次期秋田新幹線車両の詳細な仕様は別途発表するとしている。

E927形の検測エリアは東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線・山形新幹線・秋田新幹線。「East-i」と同じ新在直通車両だが、最高速度はE5系電車やE6系、E10系電車(開発中)と同じ320km/hに引き上げる。

「East-i」と新たな新幹線専用検測車のE927形のイメージ。【画像:JR東日本】

AIやDXの技術を活用し、320km/hでの高速走行での検測に対応するとともに省人化や遠隔からの無人検測の実現に取り組む。また、営業車両と同様に自動運転の導入の検討を進める。

レールのゆがみをチェックする軌道変位測定装置は、床下に搭載した一つの装置にセンサー類を集約した検測方式に移行。「ALFA-X」で試験開発してきた2次元レーザーによる多点測定を導入する。現在の「East-i」は275km/hを超える速度での検測に対応していないが、E927形は「East-i」に比べ細かく正確なデータの取得が可能で、高速・高精度の検測を実現するという。

軌道変位測定装置の方式変更のイメージ。【画像:JR東日本】

新たに導入する電車線金具モニタリング装置は、従来の保守用車からの人力による至近距離検査に代わり、カメラで撮影した画像から電車線金具をAIで検知。画像をスクリーニングして電車線設備に問題がないかどうか判定することで検査の品質を向上させるという。

電車線金具の現在のチェック体制(左)と新たに導入する電車線金具モニタリング装置(右)のイメージ。【画像:JR東日本】

トロリ線の摩耗や高さなどをチェックする装置は、現在のレーザー光の反射による測定からスリット光の照射とカメラ撮影に移行。取得した画像よりトロリ線の断面形状や位置を把握し、摩耗の状態などを高精度に検測するという。

トロリ線状態想定装置の方式変更のイメージ。【画像:JR東日本】

カラーリングは未定で、JR東日本グループの社員の応募作品の中から選定する予定。E10系のデザインを手がけているtangerine社が監修する。選定されたデザインを考案した社員とtangerine社が連携し、来年2026年夏ごろを目指して細部のデザインを仕上げる。

「East-i」とE927形の比較。【画像:JR東日本】

新幹線の線路や架線のチェックは検測専用車両を使用しているが、九州新幹線や西九州新幹線は営業車両に検測装置を搭載。東海道・山陽新幹線でも営業車両に検測装置を搭載し、「ドクターイエロー」と呼ばれる検測専用車両は更新しないことになった。JR東日本は新たに検測専用車両を導入することについて「(当社は)5方面の新幹線ネットワークを有し、方面毎に編成が異なることから、全方面で共通使用できる専用の検測車を2029年度に導入する」としている。

※追記(2025年10月7日15時25分)
記事内容を全面的に書き換えました。

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