【大雨】鉄道の被害状況(8月21日18時30分) 山陽本線の再開見込みは9月上旬に



大雨による鉄道の運休は依然として各地で続いており、一部では大規模な被害も発生している。施設被害が発生した駅や区間を含む、おもな運休区間は次の通り(8月21日18時30分時点)。

JR東日本:中央本線:岡谷~辰野(長野県)

土砂流入などが発生。8月23日から代行バスが運行される。8月26日の始発から運転再開の見込み。

JR東日本:中央本線:辰野~塩尻(長野県)

土砂流入などが発生。運転再開は9月上旬の予定。代行バスは運転しない。

JR東海:中央本線:南木曽~塩尻(長野県)

倉本~上松間で倒木や巨岩を多数含む土砂が流入。倉本駅では信号機器室が損傷した。木曽平沢~贄川間でも土砂流入の被害が発生している。

8月23日の始発から上松~奈良井間の運転を再開し、同日から南木曽~上松間と奈良井~塩尻間で代行バスが運行される。8月30日頃には奈良井~塩尻間が運転再開の見込み。残る南木曽~上松間の運転再開は9月中旬の見込み。

JR東海:飯田線:大海~平岡(愛知県・静岡県・長野県)

本長篠駅で線路設備の一部にゆがみが発生。被害状況の調査中で、運転再開日などは示されていない。

JR東海:飯田線:伊那松島~辰野(長野県)

宮木~辰野間で横川橋りょうの橋脚などが損傷。橋脚や鉄柱が傾き、軌道にゆがみが生じている。

8月23日の始発から伊那松島~伊那新町間の運転が再開される予定。伊那新町~辰野間は8月23日から代行バスが運行されるが、列車の運転再開までには相当な期間がかかる見込みだ。

JR西日本:呉線:三原~竹原(広島県)

安芸長浜~大乗間の東川トンネル内で漏水。このトンネルは7月の大雨で上部を通る東川の護岸や河床が洗掘され、河床にシートを設置するなどの応急処置を行っていたが、今回の大雨による増水でシートが流された。

8月19日から三原~竹原間で代行バスが運行中。JR西日本は安全が確認されるまで列車の運転を取りやめるとしており、再開のめどは立っていない。

JR西日本:山陰本線:江南~田儀(島根県)

国土交通省によると土砂流入が発生。JR西日本によると、近くを通る国道9号の路面変状の影響で線路の安全が確保できない状態だ。代行バスが運行中。JR西日本は当分のあいだ同区間の運転を終日取りやめるとしており、再開時期は示していない。

JR西日本:山陽本線:厚東~厚狭(山口県)

路盤が流出した山陽本線の小野田~厚狭間。【画像:JR貨物】

小野田~厚狭間で大規模な路盤流出と電架柱の倒壊、架線・ケーブルの切断が発生。8月18日から代行バスが運行中のほか、新山口~厚狭間で山陽新幹線による代替輸送も行われている。

8月16日の時点では復旧に10日程度かかるとされていたが、JR西日本によると広範囲で路盤修復が必要であることが判明したとし、運転再開時期は最短で9月上旬の見込みに変わった。

JR九州:佐世保線:肥前山口~武雄温泉(佐賀県)

大町・北方・高橋の3駅で信号機器室が浸水し、信号装置などの電気設備が被災。ほかにも冠水による踏切設備の被災や道床流出等の線路災害が発生した。8月23日に運転再開の見込み。

JR九州:久大本線:日田~豊後森(大分県)

杉河内~北山田間の第10玖珠川橋りょうで線路にゆがみが生じた。ほかにも斜面崩壊や道床流出、橋脚周りの護岸損傷などが発生している。8月23日から日田~豊後森間で代行バスが運転される。列車の運転再開のめどは立っていない。

アルピコ交通:上高地線:松本~新村(長野県)

西松本~渚間の田川橋りょうが被災し、橋脚が傾いた。8月16日から代行バスが運行中。再開のめどは示されていない。

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