阪神電鉄の回数券・往復乗車券「発売終了」 ICカードのポイントサービス拡充へ



阪神電鉄は3月10日、回数券と往復乗車券の発売を9月30日限りで終了すると発表した。交通系ICカードのポイントサービスを拡充し、ICカードへの移行を促進する。

阪神線の列車。【撮影:草町義和】

阪神電鉄が発売を終了するのは、往復乗車券と阪神線回数乗車券・神戸高速線回数乗車券・他社連絡回数乗車券。通学用割引回数券も発売を終了する。一方、身体・知的障害者用特別割引回数乗車券は発売を継続する。他社が発売する阪神線の連絡回数乗車券は引き続き利用できる。

阪神電鉄と阪急電鉄が実施している阪急阪神回数券引き換えサービスは、両社とも9月30日限りで終了。身体・知的障害者用特別割引回数乗車券の引き換えも終了する。

阪神線の交通系ICカードでのポイント付与サービスは「PiTaPa(ピタパ)」のみ実施しているが、9月1日からは「ICOCA(イコカ)」で阪神線を利用する場合もポイントを付与する。「ICOCA」で月初から月末の1カ月間に同一運賃区間を所定回数以上利用した場合にポイントを付与。ポイントは「ICOCA」にチャージして交通での利用や買い物などに使える。詳細は夏頃をめどに案内する予定。

阪神電鉄はこのほか、磁気定期券の発売も7月31日までに終了する予定だ。

磁気定期券や紙の回数券は交通系ICカードの普及やコロナ禍による経営悪化などを受け、各地で廃止が相次いでいる。2020年に京阪電鉄が発売を終了。昨年2021年にはJR西日本(ICカード利用可能エリア)やJR九州(九州内)、東武鉄道、西鉄が発売を終了している。

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