広島電鉄「一部廃止」許可へ 駅前大橋ルート開業に対応、運輸審議会が軽微認定



国土交通省の運輸審議会は7月15日、広島電鉄の軌道事業の一部廃止について、運輸審議会に諮らないで処分などを行うことができる「軽微事案」に認定した。これを受けて国土交通大臣は近く本線・広島駅~的場町0.4kmの廃止を許可するとみられる。

駅前大橋ルートの開業にあわせて廃止される広島駅~的場町の軌道と猿猴橋町停留場。【撮影:草町義和】

広島電鉄は8月3日、広島駅~稲荷町~比治山下を結ぶ路面電車の新線(駅前大橋線=駅前大橋ルート)を開業する予定。広島駅に乗り入れる運行系統をすべて駅前大橋ルート経由に変える。これに伴い、既存の本線・広島駅~的場町~稲荷町と皆実線・的場町~比治山下は運行する電車がなくなることから、8月2日限りで本線の広島駅~的場町を廃止。本線・的場町~稲荷町と皆実線・的場町~比治山下は営業を休止する。

広島電鉄の軌道の廃止区間と休止区間、新設区間。【画像:国土交通省】

国土交通省は「通常の廃止事案と異なり、本件は事実上は新線整備に伴う路線付け替えに伴うものであって、同区間の廃止後も輸送サービスは基本的に維持され、全体としてはむしろ利便性が向上する」としている。廃止区間内にある猿猴橋町(えんこうばしちょう)停留場も、駅前大橋ルートの新しい広島駅停留場から300m弱と近く「利便性の大幅な悪化は生じない」としている。

休止区間は新たに設定される循環系統(広電本社前~紙屋町東~的場町~皆実町六丁目~広電本社前)が走るようになる。的場町停留場の段原一丁目方面と稲荷町方面を直接結ぶ軌道がないため、いったん営業を休止して軌道を整備。来年2026年春に営業を再開して循環系統が運行を開始する予定だ。

的場町停留場(皆実線・皆実町六丁目方面の乗り場)からみた的場町交差点。現在の広島駅方面の軌道(右)を廃止し、紙屋町方面(左)に向かう軌道を整備する。【撮影:草町義和】

鉄道事業を廃止する場合、原則的には鉄道事業法に基づき廃止予定日の1年前までに国土交通大臣に廃止を届け出る必要があるが、許可を受ける必要はない。一方、路面電車の軌道を廃止する場合は原則的には軌道法に基づく許可が必要。廃止の申請があった場合、国土交通大臣は運輸審議会に諮問し、ここで公聴会を開くなど審議したうえで廃止を許可するかどうか判断する。ただし運輸審議会が軽微事案に認定した場合、運輸審議会に諮る必要はない。

《関連記事》
広島電鉄の広島駅ビル乗り入れ「原爆投下80年の3日前」開業へ 運行系統どう変わる
広島電鉄「快速便」駅前大橋ルート開業のダイヤ改正で設定 所要時間短縮や増発も
広島電鉄駅前大橋線:広島駅~比治山町交差点(未来鉄道データベース)