松山駅の駅前広場「路面電車乗り入れ」市が申請時期やスケジュール示す



松山市は9月11日、松山駅の駅前広場への路面電車乗り入れ計画について、今後の手続きや工事のスケジュールなどを明らかにした。来年度2026年度に認可申請する。

伊予鉄道松山市内線のJR松山駅前停留場。【画像:北方大字/写真AC】

松山市内では伊予鉄道が城南線や大手町線などで構成される路面電車網(松山市内線)を運営している。JR予讃線の松山駅近くには松山市内線のJR松山駅前停留場が設けられているが、この停留場は愛媛県道19号松山港線の道路中央部に設けられている。松山駅の入口(東口)から160mほど離れているのに加え、駅と停留場のあいだを移動するには地下道を通る必要がある。

計画では松山市内線の軌道を松山駅東口の駅前交差点付近から松山宮田郵便局付近まで西側へ移設。JR松山駅前停留場も松山駅の東口側に整備される新しい駅前広場に移設し、路面電車が乗り入れる。これにより駅と停留場がいまより30mほど近づくほか、地下道を通らず駅と停留場のあいだを移動できるようになる。

松山市やJR四国、伊予鉄道などで構成される「第6回松山駅まち会議」(2025年6月)で示された松山駅の将来イメージ。【画像:松山市】

松山市によると、詳細設計は本年度2025年度中に完了する予定。2026年度には国土交通省に認可申請を行うとともに、路面電車が通る敷地での既存構造物の撤去や整地など関連工事に着手する。その後認可され次第、軌道の敷設工事を進める予定という。完成時期について松山市は「伊予鉄道など関係期間と調整しながら一日も早い完成を目指す」としたが、具体的な時期は示さなかった。

予讃線の松山駅付近は線路の高架化により踏切の解消や市街地の分断解消を図る連続立体交差事業が実施され、昨年2024年9月に高架化が完了した。現在は地上に残る旧駅施設の撤去や駅周辺の再開発工事が進められている。JR松山駅前停留場の移設も再開発の一環だ。

このほか、松山市内線を移設後のJR松山駅前停留場から松山駅の西側に延伸することも計画されているが、事業化のめどは立っていない。

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