JR東日本と西武鉄道「直通運転」検討 営業運転の旅客列車初、連絡線活用



JR東日本と西武鉄道が、両社の路線をつなぐ連絡線を活用した直通運転を検討していることが6月9日までに分かった。実現した場合、営業運転の旅客列車によるJR線~西武線の直通運転は初めてになるとみられる。

かつてJR東日本が保有する客車を牽引したことがある西武鉄道のE851形。【撮影:草町義和】

国鉄(現在のJR)と西武鉄道は貨物列車の乗り入れのため池袋駅と国分寺駅で線路を接続していたが、1976年までに武蔵野線の新秋津駅と西武線の所沢駅を結ぶ連絡線を整備。貨物輸送の中継地点も新秋津駅に変更した。

西武線(青、一部割愛)とJR武蔵野線(緑)、連絡線(赤)の位置。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

西武鉄道は1996年に貨物列車の運行を終了したが、連絡線は現在も新造車両の搬入や中古車両の搬出、西武鉄道の池袋線・新宿線系統から分離している西武多摩川線の車両の搬出入で使われている。直通列車を運行することは可能だ。1996年には貨物輸送用のE851形電気機関車が引退するのを記念し、同機が牽引する旅客列車を運行。客車はJR東日本から借り入れた12系客車を使用しており、JR東日本が保有する旅客車両が西武線を走ったことはある。

西武鉄道の広報部によると、運行区間や使用車両は現在検討中。現時点では臨時列車での運行を考えているという。このため多客期の観光需要に対応した直通列車の運行が検討されているとみられる。

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