インド「世界一高い鉄道橋」開通式 高千穂橋梁の3.5倍、カシミールに整備



カシミール地方のインド支配地域で6月6日、「シェナブ鉄道橋」の開通式が開かれ、インドのナレンドラ・モディ首相が出席した。

シェナブ鉄道橋の開通式。【画像:Narendra Modi/X】

シェナブ鉄道橋はジャンムー・カシミールのジャンムーからカトラやシュリーナガルを経てバラムーラに至る全長324kmの鉄道路線に設けられた、長さ1315mの上路式アーチ橋。インダス川水系のシェナブ川に架設された。

高さは359mで鉄道橋としては世界一。東京タワー(333m)より高く、日本一高い鉄道橋の高千穂鉄道高千穂線・高千穂橋梁(高さ105m、2008年廃止、2013年から遊具鉄道化)の3.5倍近くの高さを誇る。インド首相官邸によると、この鉄道の整備によりカトラ~シュリーナガルの所要時間は約3時間になり、従来より2~3時間短縮されるという。

ジャンムー~バラムーラを結ぶ鉄道とシェナブ鉄道橋の位置。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

シェナブ鉄道橋を眺めるモディ首相。【画像:Narendra Modi/X】
シェナブ鉄道橋でインド国旗を掲げるモディ首相。【画像:Narendra Modi/X】

カシミール地方はインド・パキスタン・中国が領有権を争っており、とくにインドとパキスタンのあいだではこの地域を巡る戦争や紛争が絶えない。インドはカシミール地方のインフラ・観光開発を推進して同地方の支配体制を強化する考えだ。

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