大糸線・南小谷~糸魚川「幅広い議論」JRと沿線関係者、3月から 輸送密度50人



JR西日本は2月3日、大糸線の南小谷~糸魚川間(長野県・新潟県)について持続可能な路線としての方策を検討するため、3月から沿線関係者と「幅広い議論」を行うことになったと発表した。

大糸線の列車。【画像:TAKE-PHOTO/写真AC】

沿線自治体などで構成される大糸線利用促進輸送強化期成同盟会内に振興部会を設置。地域の現状や公共交通の概況、利用状況、移動特性、沿線住民ニーズなどを共有し、地域振興に効果のある「持続可能な路線としての方策」について幅広い議論を行い、適宜取りまとめる。

大糸線は北アルプス東側の松本~南小谷~糸魚川間105.4kmを結ぶ鉄道路線。長野県側の松本~南小谷間70.1kmはJR東日本、新潟県側の南小谷~糸魚川間35.3kmはJR西日本が運営している。

南小谷~糸魚川間は県境部の山岳地帯を通り、利用者は少ない。1日の平均通過人員(旅客輸送密度)はJR西日本発足時の1987年度で987人だったが、コロナ禍前の2019年度は102人。コロナ禍の2020年度は50人で100人を大幅に下回った。JR西日本によると、人口減少や少子高齢化、道路整備の進展などの影響を受け、1992年度のピーク時から9割以上減少しているという。

同社の長谷川一明社長は昨年2021年12月から今年2022年1月にかけ、輸送密度が2000人以下の路線を見直しの対象にする考えを共同通信のインタビューなどで示している。

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