秋田内陸縦貫鉄道「学生団体」向け見学プラン 進路決定の参考に



秋田内陸縦貫鉄道は7月1日から9月30日にかけ、「鉄ちゃんサークル見学プラン」を実施する。おもに鉄道研究系の学生団体をターゲットにした企画。秋田内陸縦貫鉄道の車庫見学や社員による講演会などを行う。

秋田内陸線の列車。【画像:8321/写真AC】

モデルコースと一例としては、角館11時05分発→阿仁合12時15分着の急行「もりよし」に乗車。阿仁合駅に到着後は車庫の見学に加え、会社概要の座学、秋田内陸線の現状・今後や鉄道員の心構えに関する講演会、駅の見学を行う。その後、阿仁合15時29分発の普通列車で鷹巣駅に向かう。時刻・発着駅の変更や逆方向での利用も可能だ。

秋田内陸縦貫鉄道は「ただ見るだけではなく、現業のスタッフから話が聞けて、将来の進路決定の参考になる」「講演会も、社長の吉田や現役社員、また大手私鉄OBの企画担当者など様々な角度から『鉄道』という仕事を考察できる中身の濃い3時間」とアピールしている。

一人あたりの料金は7500円。秋田内陸線の1日フリー切符と昼食の弁当、土産が付く。31人以上の団体の場合、角館~阿仁合は貸切列車の利用も可能。申し込みについて、秋田内陸縦貫鉄道は「まずは電話でご相談ください」としている。

秋田内陸縦貫鉄道は冬季も体験内容を除雪作業・ラッセル体験に変えて、同様のプランを実施する考えだ。

秋田内陸縦貫鉄道は、鷹巣~角館94.2kmの秋田内陸線を運営する第三セクター。1986年に国鉄から阿仁合線・鷹ノ巣~比立内と角館線・角館~松葉の経営を引き継ぎ、1989年に比立内~松葉が開業して全通した。

阿仁合駅と隣接する車庫。【画像:8321/写真AC】

秋田県内陸部の過疎地帯を結ぶ路線で利用者は少なく、経営も厳しい。輸送密度は全通時の1989年度で567人だったが、2019年度は半分以下の260人に減少。コロナ禍が本格化した2020年度は200人を割り込み168人になった。2022年度は201人まで回復している。

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