国鉄蒸機「C56 135」大井川鉄道へ 兵庫の保存機、解体から一転「動態化」目指す



大井川鉄道(静岡県)は2月12日、兵庫県内の公園で静態保存されていた国鉄蒸気機関車「C56形135号機」が搬入されたことを明らかにした。同社は今後、動かせる状態に戻す動態化を目指して整備する方針。

大井川鉄道に搬入されたばかりのC56 135。炭水車が外されている。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道に搬入されたのは、兵庫県加東市の播磨中央公園で静態保存されていたC56 135。同社はツイッターなど公式SNSで、炭水車を切り離した状態のC56 135の写真を公開した。

C56 135は1938年、日立製作所の笠戸工場(山口県)で製作された蒸気機関車。広島や島根、鹿児島の山岳路線で運用された。1972年にはお召し列車の牽引予備機に指定されたこともある。1974年に引退し、その後は兵庫県滝野町(現在の加東市)が国鉄から無償貸与を受け、中央公民館で静態保存。のちに加東市の播磨中央公園に移設された。

引退から50年近くが過ぎて車両の劣化が進み、加東市はアスベスト含有の可能性や修繕に1億円ほどかかるとしてC56 135の解体・撤去を決定。兵庫県の支援を受け、2021年度一般会計予算で解体・撤去工事費として800万円を計上していた。しかし、市議会の一部議員から「十分な説明がなかった」などとして解体に反対する声が上がったほか、撤去の話を聞いた大井川鉄道が譲受を申し入れたことから、一転して同社への譲渡が決まった。

大井川鉄道は現在、営業運転で運用できる蒸気機関車としてC10形8号機とC11形190・227号機、C56形44号機の4両を所有している。

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