東京メトロは4月28日、新しい中期経営計画を公表した。計画期間は2025~2027年度の3年間。期間中にほぼ全駅でホームドアの設置を完了するほか、エレベーターによる段差のないバリアフリールートを少なくとも一つ設ける「EV1ルート」の整備もめどをつける。東西線・南砂町駅の大規模改良工事なども引き続き推進する。

東京メトロでホームドアが未設置の駅(設置済みだが使用開始していない駅を含む)は、今年2025年4月26日時点で東西線の8駅(中野・落合・木場・南砂町・行徳・妙典・原木中山・西船橋)と半蔵門線の2駅(清澄白河・住吉)。2025年度中には半蔵門線で全駅への設置を完了する予定で、東西線も大規模改良工事を実施中の南砂町駅を除き設置を完了する予定だ。
EV1ルートの整備完了は2030年度を目標とし、残る3駅(銀座一丁目・中野・八丁堀)の整備に取り組む。さらに複数ルートの整備も推進し、浅草駅と築地駅では2026年度の使用開始を予定。小竹向原駅でも実現に向け検討を推進する。


東西線では輸送改善策として、南砂町駅の大規模改良工事と飯田橋~九段下の折り返し線の整備を引き続き推進する。完成時期は中期経営計画では示していない。東京メトロ広報部によると、中期経営計画期間中の完成は予定していないといい、工事完了は2028年度以降になる見通しを示した。
南砂町駅の大規模改良工事は、現在の島式ホーム1面2線から島式ホーム2面3線に増強するもの。ホームの混雑緩和を図るのに加え列車の交互発着を可能にし、列車の「詰まり」による遅延を防止する。2012年度から着手し、当初は2020年度の完成を予定していた。

しかし地中に埋まっていた支障物の木材が想定より多く、軟弱な地盤も相まって掘削工事が難航。2024年5月にようやく1回目の線路切替が実施され、新しいホームと線路の暫定的な使用が始まった。現在は従来のホームの改良工事などが行われている。
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