北神急行電鉄「市営化」3月下旬に運賃届出へ 「最安ルート」大きく変化



神戸市交通局・北神急行電鉄・神戸高速鉄道の3社局は3月4日、北神急行電鉄が運営する北神線の「市営化」が認可されたのを受け、今後のスケジュールを発表した。6月1日の市営化に向け、運賃関係の手続きを中心に準備を進める。

北神急行電鉄の電車。【撮影:草町義和】

現在の交通局の計画によると、6月1日以降の運賃は、谷上~三宮間がいまより半額近く安い280円に。谷上~西神中央間ではいまより270円安い480円になる。定期券は谷上~三宮間の通勤1カ月(現行2万2300円)が1万620円になり、現在の半額以下だ。なお、5月31日以前に購入した北神線経由の定期券は、買い替えを対象として特例的に払い戻しを行う予定という。

谷上~湊川(湊川公園)間は現在、神戸電鉄(神鉄)有馬線経由が460円。北神急行電鉄北神線~神戸市営地下鉄西神・山手線経由は、それより120円高い580円だ。6月1日の市営化後は神戸市営地下鉄経由が310円で、神鉄有馬線経由より270円安くなる。神鉄の経営への影響や、各線の混雑率がどう変わるか注目される。

北神線経由で神戸電鉄を乗り継ぐ場合は、神戸市営地下鉄と神戸電鉄の運賃を合算した額に。花山・箕谷~新神戸間で実施している北神急行電鉄と神戸電鉄との乗継割引は5月31日限りで終了する。

また、バス近郊区と地下鉄との連絡定期割引率の拡大し、バス対キロ区間でバス5%・地下鉄10%からバス10%・地下鉄10%に拡大する。このほか、谷上駅から神戸北町地区を結ぶバス路線の開設も検討するという。

北神線は新神戸~谷上間7.5kmの路線。神戸高速鉄道が線路施設を保有し、北神急行電鉄が列車を運行している。また、新神戸駅で神戸市営地下鉄の西神・山手線と接続し、相互直通運転を行っている。3月4日、北神線の鉄道事業を神戸市に譲渡することが国土交通大臣に認可され、北神線と西神・山手線が経営上も神戸市営地下鉄として一体化することが決まった。

3社局によると、今後は3月上旬に列車運行の管理などの受委託の許可申請を行う予定。3月下旬には、神戸市高速鉄道乗車料条例の一部を改正する条例の可決後、同条例施行規程の改正を経て、6月1日以降に実施する神戸市営地下鉄の運賃の届出を行うとしている。