JR東日本「自動改札機を通れる電子チケット」トライアル エリア外からの利用もOK



JR東日本は11月17日、自動改札機を利用できる電子チケットのトライアルを行うと発表した。同社が展開している地域・観光型MaaSパッケージ「Tabi-CONNECT」を活用。モバイルSuica限定のフリーパスを発売する。

モバイルSuicaを搭載したスマホで改札機を通るイメージ。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

発売されるフリーパスは「伊東・伊豆高原デジタルフリーきっぷ」と「ときわ路パス(デジタル)」の2種類。いずれも発売当日の1日に限り、指定されたフリーエリアを自由に乗り降りできる。発売・利用期間や発売額、フリーエリアは次の通り。

●伊東・伊豆高原デジタルフリーきっぷ
発売・利用期間:2023年12月1日~2024年1月31日
発売額:1000円(大人用のみ)
フリーエリア:伊豆急行線 伊東~伊豆高原

●ときわ路パス(デジタル)
発売・利用期間:2023年12月2日~12月24日の土曜・休日と2024年2月10日~3月31日の土曜・休日
発売額:2180円(大人用のみ)
フリーエリア:常磐線(取手~大津港)・水戸線(小田林~友部)・水郡線(水戸~下野宮・常陸太田)・鹿島線(潮来~鹿島サッカースタジアム)・関東鉄道常総線・関東鉄道竜ヶ崎線・鹿島臨海鉄道線・ひたちなか海浜鉄道線・真岡鉄道線

「ときわ路パス(デジタル)」フリーエリア内の水戸駅。【撮影:草町義和】

購入に際してはTabi-CONNECTのウェブサイトでモバイルSuicaのSuicaID番号を登録する必要がある。改札の入出場時には、登録したモバイルSuicaを載せたスマートフォンなどを自動改札機にタッチする。その際、チャージ残高から乗車区間の運賃が引き去られるが、利用日の翌月末にチャージで返金される。

首都圏のSuica・PASMOエリアの各駅からフリーエリアに向かう場合も、登録したモバイルSuicaでそのまま利用でき、フリーエリア区間分の運賃のみ返金される。たとえば「ときわ路パス(デジタル)」を購入してフリーエリア外の上野駅からエリア内の水戸駅まで利用した場合、いったん支払った上野~水戸の運賃(2310円)からフリーエリア外の上野~取手の運賃(659円)を差し引いた1651円が返金される。

JR東日本によると、従来の電子チケットは自動改札機を利用できず、改札で駅員が客のスマートフォン画面を確認する必要があったという。同社は今回のトライアルで得られる知見を生かし、Tabi-CONNECTで提供するメニューの拡充を図るとしている。

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