JR西日本は4月18日、列車とホームの隙間と段差を自動で埋める「可動スロープ」を試験的に導入すると発表した。車椅子利用者の利便性向上を目指す。

可動スロープはホームの床の線路が隣接する部分、列車のドアが停止する位置に設置。列車の到着を検知すると自動でスロープが張り出し、列車のドアとホームの隙間・段差を可変的に埋める。列車の乗降完了後も自動でスロープが収納される。



安全対策としてセンサーを設置。スロープの稼働中に人や物体を検知したときは音声による注意喚起を行うほか、人が乗った状態ではスロープを動かさないよう一時停止して人の転倒を防ぐ。スロープの先端にもセンサーを設置し、スロープと列車のあいだに足やつえなどが挟まることを防止する。

可動スロープが設置されるのは新大阪駅の2番線ホームと桜島駅の1・2番線ホームで、4月21日から10月まで10~20時に試験を実施する予定。大阪・関西万博の開催期間中に新大阪~桜島を直通する臨時列車「エキスポライナー」を利用する場合、新大阪駅と桜島駅で乗り降りすれば、どちらの駅でも可動スロープを利用できる。途中停車駅の大阪駅や西九条駅での乗り降りは対象外だ。

JR西日本は試験導入により可動スロープの利便性の検証や改良点の抽出、機構の安定性の確認などを行う。同社は「車椅子をご利用されているお客様が列車へスムーズに乗り降りいただける環境づくり」を目指すとしている。
《関連記事》
・万博アクセス「サブルート」JR西日本、新大阪~桜島を直通「エキスポライナー」運行
・「夢洲アクセス鉄道」大阪府市と鉄道会社が検討会 万博後に向け複数構想を調整へ