東北新幹線の上野~大宮で3月6日、併結運転していた東北・秋田新幹線「はやぶさ・こまち」が走行中に分離するというトラブルが発生した。同様のトラブルは2度目。東北新幹線と山形・秋田新幹線の併結運転は3月7日16時30分時点で中止されている。

JR東日本によると、トラブルは3月6日の11時30分ごろに発生。東京駅から6.6km、山手線・京浜東北線の西日暮里駅付近を60km/hで併結して走っていた秋田新幹線「こまち21号」(E6系電車)と東北新幹線「はやぶさ21号」(JR北海道のH5系電車)の連結器が外れた。両列車とも自動的にブレーキが動作し、8mほどの間隔をあけて停止した。
この影響でJR東日本の各新幹線は運転を見合わせ、約3時間後の14時34分に全線で運転を再開。「こまち21号」「はやぶさ21号」はそれぞれ単独で大宮駅まで運転し、乗客は同駅で後続列車に乗り換えた。このトラブルによる列車の脱線はなく、負傷者も確認されていない。「はやぶさ・こまち21号」の前の列車になる「はやぶさ・こまち10号」(新函館北斗・秋田→東京)の盛岡駅での併合作業は通常通り行われたという。


今回のトラブル発生現場を含む東北新幹線・東京~大宮の区間は、併結運転を行っている東北・山形・秋田新幹線に加え、北海道新幹線や上越新幹線、北陸新幹線の列車も乗り入れている。ダイヤの乱れが広範囲に波及した。
今回のトラブルを受けてJR東日本は、原因が判明するまで併結運転を中止すると発表。3月7日16時30分時点では、原則として山形・秋田新幹線の東北新幹線への直通運転を中止している。山形新幹線「つばさ」は福島駅で折り返し運転を行っており、秋田新幹線「こまち」も盛岡駅での折り返し運転を実施。ただし東北新幹線に単独で乗り入れている「つばさ121号」「つばさ160号」は東京~新庄で直通運転を行う。
JR東日本は今回の「はやぶさ・こまち21号」の分離について「多くのお客さまに、ご迷惑とご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。「原因が判明し、必要な対策が完了するまで間、併結運転をすべて取りやめます。原因究明を速やかかつ確実に実施するとともに、必要な対策をとってまいります」としている。3月7日16時30分時点では、3月7・8日の併結運転中止と山形・秋田新幹線の折り返し運転を決めている。
国の運輸安全委員会(JTSB)も車両障害として重大インシデントに認定。調査を開始した。
東北新幹線では昨年2024年9月19日にも、古川→仙台を315km/hで併結走行中の「はやぶさ・こまち6号」が分離するトラブルが発生している。JR東日本は1週間後の9月26日、車両の調査結果と推定原因を発表。「こまち6号」で使用していたE6系電車で、併合作業が完了しない場合に再度分離するときに使用するスイッチの近くに金属片(切りくず)が見つかった。同社は金属片でスイッチの端子間がショートし、連結器が外れたと推定されるとしていた。
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