台湾高速鉄道の新型車両「仕様変更」日立・東芝と追加契約 運行開始時期も明らかに



台湾高速鉄道を運営する台湾高速鉄路は3月17日、新型車両を製造する日立・東芝の企業連合(HTSC)と車両の仕様変更に関する追加協定を締結し、仕様変更の概要や納入・運行開始の時期などを明らかにした。

台湾高速鉄道の新型車両はN700Sをベースに製造される(写真は西九州新幹線のN700S)。【画像:京翔九彩/写真AC】

台湾高速鉄路は2023年5月、東海道・山陽新幹線や西九州新幹線のN700S電車をベースにした新型車両(144両=12両12編成)の購入契約をHTSCと締結していた。

台湾高速鉄道が明らかにした追加協定の概要によると、新型車両は振動制御装置や連結部の防音カバーを導入。車内の防音・防振性能を現行の日本製モデルと同等のレベルに高める。授乳室には洗面台やコートフック、ベビーシートを設置。車椅子対応席を現在の台湾高速鉄道の車両より2席多い6席にするなど、バリアフリー対策も強化するという。

台北市内で行われた追加協定の締結式。【画像:台湾高速鉄路】

今回の追加協定の締結で新型車両は設計段階から生産段階に移る。台湾高速鉄路によると、新型車両の納入時期は2026年後半の予定。走行試験などを経て2027年後半には正式に運行を開始する予定という。

台湾高速鉄道は台北市内の南港駅と高雄市内の左営駅の約349kmを結ぶ高速鉄道。台北~左営を最短1時間半ほどで結ぶ。2007年の開業から18年が過ぎ、台湾高速鉄路は開業時に導入した700T形電車を新型車両で更新する。

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