台湾高速鉄道の車両基地拡張「三菱重工」関連設備工事を受注 利用者「5倍」に対応



三菱重工業は11月29日、台湾高速鉄路から車両基地の拡張に伴う関連設備の工事を受注したと発表した。利用者の増加に伴う車両の増備に対応する。

台湾高速鉄道の列車。現在は日本の新幹線の700系をベースに開発した700T形が運用されている。【画像:/写真AC】

三菱重工が受注したのは、左営車両基地内の検修庫の増設に伴う関連設備の新設・改修工事。軌道・電車線・電力・信号設備の設計と供給、設置を行う。

台湾高速鉄路は台湾北部の台北市内にある南港駅と南部の高雄市内にある左営駅を結ぶ全長約349kmの台湾高速鉄道を運営。日本の新幹線の700系電車をベースに開発した700T形電車が使われている。年間利用者数は2007年の開業時点で約1500万人だったが、2023年には5倍近い約7300万人に増えている。累計利用者数は8億人を突破した。

左営車両基地に拡張計画で整備される検修庫のイメージ。【画像:三菱重工】
利用者の増加を受けてN700Sベースの車両が導入される(写真は西九州新幹線に導入されたN700S)。【撮影:草町義和】

台湾高速鉄路は利用者の増加に対応するため車両の増備を計画。それに伴い車両基地の検修設備の拡張を進めている。JR東海が開発したN700S電車をベースにした車両が導入される計画で、昨年2023年に日立・東芝の共同企業体が144両(12両12編成)を受注した。

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