九州鉄道記念館「キハ07 41」気動車初・九州車両初の重要文化財に指定へ



文部科学大臣・文化庁長官の諮問機関である文化審議会は10月15日、JR九州の九州鉄道記念館(北九州市)で保存、展示されているキハ07形気動車1両(キハ07 41)を、美術工芸品の重要文化財として指定すべきと答申した。

重文指定が答申されたキハ07 41。【撮影:草町義和】

文化審議会は「車体の大型化と軽量化、ガソリン機関の出力向上と運行速度の高速化、車輌の国産化と標準化を達成したキハ42000形気動車として、我が国の気動車の技術発達史を俯瞰するうえで貴重であり、鉄道史、社会・経済史、科学技術史上に重要である」としている。

キハ07 41は1937年、キハ42000形のキハ42055として製造された国鉄気動車。ガソリンエンジン・機械式のキハ41000形をベースに車体を大型化し、前後の運転台がドーム形の流線型になったのが特徴だ。戦後の1952年にディーゼルエンジンに換装され、形式・車両番号もキハ42500形のキハ42540に変更。さらにキハ07 41に変更された。

1969年、宮原線(大分県・熊本県、1984年廃止)での運用を最後に引退。その後は久大本線の豊後森駅に隣接する機関車庫などで保存されていたが、2003年の九州鉄道記念館のオープンと同時に同館で展示されるようになった。

キハ07 41の運転台。【撮影:草町義和】
キハ07 41の車内。【撮影:草町義和】

JR九州によると、気動車が重文に指定されるのは初めて。九州の鉄道車両としても初めての指定になる。JR九州としては1988年に重文指定された門司港駅に次いで2例目だ。

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