モンゴルのオヨーンエルデネ首相が2月14日に中国を訪問し、「ガショーンソハイト・ガンツモド国境横断鉄道」の整備に関する政府間協定を中国と締結した。モンゴル~中国を結ぶ鉄道としては2本目。モンゴルの国営モンツァメ通信社などが伝えた。

ガショーンソハイト・ガンツモド国境は、国境横断鉄道があるザミンウード・エレンホト国境から南西へ約380km。モンゴルのタバントルゴイ炭鉱で産出される石炭の中国への輸出ルート上にある。モンゴル側では2022年、タバントルゴイ方面からガショーンソハイトに延びる鉄道が開通。中国側も内モンゴル自治区の包頭からガンツモドにつながる鉄道が2012年に開通している。
モンゴルと中国は線路の軌間が異なり(モンゴル=1520mm、中国=1435mm)、さらにガショーンソハイト・ガンツモド国境を横断する鉄道も現在は存在しない。タバントルゴイか方面から鉄道を使って中国へ物資を輸送する場合、ガショーンソハイトで貨物列車からトラックに積み替え、ガンツモドでもトラックから貨物列車に再度積み替える必要がある。
ガショーンソハイト・ガンツモド国境横断鉄道が整備されて両国の鉄道が接続すると、積み替えの手間を1回に減らすことができるほか、車両の台車交換などによる直通運転も不可能ではなくなる。

政府間協定に署名したモンゴルのオヨーンエルデネ首相は「ガショーンソハイト・ガンツモド国境横断鉄道の運用開始でモンゴルの国境検問所能力が倍増し、石炭輸出が年間8300万トンから1億6500万トンに達する」と述べ、輸送力の増強に期待感を示した。
モンゴルと中国を結ぶ鉄道は1955年、ザミンウード・エレンホト国境を経由するルートで開通。2004年ごろからガショーンソハイト・ガンツモド国境横断鉄道の整備が議論されていた。
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