モンゴルの鉄道改良に日本「無償資金援助」異軌間の問題などで対策



外務省は10月3日、井川原賢駐モンゴル国日本国特命全権大使とモンゴルのボルド・ジャブフラン大蔵大臣とのあいだで「鉄道輸送向上計画」への無償資金協力に関する書簡の署名・交換が行われたと発表した。

ザミンウードの貨物積替施設(上)と急なカーブがあるモンゴルの鉄道(下)。【画像:外務省】

これはモンゴルの物流円滑化と安全性向上を図るため、日本が15億6000万円を限度に無償資金協力を行うもの。

中国国境近くのザミンウードにある貨物の第2積替施設の機能を強化するため、積替ホームの増設とリーチスタッカーなど機材の供与を行う。また、ザミンウードとモンゴルの首都ウランバートルを結ぶ鉄道で、事故リスクが高い急カーブの線路の改修を実施する。ウランバートルからロシア国境方面の区間は含まれていない。

モンゴルとその周辺国の鉄道網。軌間はモンゴルとロシアが1520mm(赤)なのに対し中国は1435mm(黒)を採用している。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

モンゴルは内陸国のため国際物流は陸路への依存度が高く、鉄道も中国・ロシアと接続している。鉄道の軌間はロシアと同じ1520mmなのに対し中国は1435mmのため、中国~モンゴルでは国境の駅で台車を交換して直通運転したり、貨物をそれぞれの国の貨車に積み替えたりする必要がある。これが物流効率化の障害になっている。

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