京王電鉄の9000系「リニューアル」座席は沿線工芸品モチーフ、広く見せる配色も



京王電鉄は2月7日、9000系通勤型電車をリニューアルすると発表した。春から営業運行を開始する。

10両編成の9000系。【画像:ONECHANCE/写真AC】

VVVFインバーター方式の制御装置はフルSiC素子を用いた新型に更新。電力消費量を現在の9000系から2割ほど削減する。補助電源のSIV装置も更新する。

車内のデザインは天井から床までモノトーンに統一。床から天井に向かって段々明るくなるよう配所し、空間を広く見えるようにする。

座席の座面は京王線沿線の東京都八王子市の伝統工芸品である多摩織物をモチーフにデザイン。背ずりは商業施設や高層ビルが立ち並ぶ景観をイメージした幾何学模様を採用し、生地にグラデーションを使うことで「郊外から都心へと移り変わる街並みの明るさ」を表現する。

現在の9000系の車内。【画像:京王電鉄】
9000系リニューアル車の車内。【画像:京王電鉄】
増設する握り棒(中央)。【画像:京王電鉄】

このほか、来年2026年始めの導入を予定している新型車両(2600系電車)の設計を9000系リニューアル車で活用。一般座席の縦握り棒を増設するほか、優先座席の縦握り棒には滑り止めの加工を施す。また、すべての車両にフリースペースを設ける。

優先席(左)とフリースペース(右)。優先席の握り棒は滑り止め加工を施す。【画像:京王電鉄】

9000系リニューアル車は今年2025年春から10両編成の営業運行が始まる予定。その後も順次、10両編成の9000系をリニューアルする。8両編成のリニューアルは現在計画されていない。

9000系は2000年にデビューした京王電鉄の通勤型電車。2009年までに8両8編成と10両20編成の合計264両が製造された。京王線系統で運用され、都営新宿線への乗り入れにも対応している。

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