「500系のぞみ」ギネス世界記録の所要時間を「再現」山陽新幹線の全通50周年企画で

JR西日本は1月30日、山陽新幹線で「リバイバル500系のぞみ」と題した列車を3月9日に運行すると発表した。山陽新幹線の全線開業50周年企画。「のぞみ」で運用されていたころの500系の「世界最速」を再現する。

運行区間と時刻は新神戸13時04分発→博多15時21分着で、所要時間は2時間17分。途中、岡山・広島・小倉の3駅のみ停車し、後続の「のぞみ」を待避しないダイヤで走る。車体側面のLEDは「のぞみ博多」と表示。2号車で「500系のぞみ」の関連写真展を実施するほか、客が乗る全車両で車内販売を実施する。

この列車に乗るための旅行商品は「tabiwa by WESTER」内の「tabiwa トラベル」で発売の予定。2月2日11時以降、発売日や旅行代金などの情報を随時案内する。

JR西日本の500系は1995年から1998年にかけ144両（16両9編成）製造された、東海道・山陽新幹線「のぞみ」用の電車。航空交通との競争を念頭に高速化に重点を置いて開発された。設計最高速度は320km/h。運転最高速度は東海道新幹線で270km/h、山陽新幹線で300km/hとした。

東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で運用されていたころの500系。【taso583／写真AC】

1997年から「のぞみ」での営業運行を開始。山陽新幹線・新大阪～博多の最短所要時間は2時間17分だった。表定速度は242.5km/h、停車駅間の平均速度は261.8km/hで、これはフランスのTGVを上回り当時の世界最速。同年のギネス世界記録として認定されている。今回の企画では運行区間が新大阪～博多より短いものの、所要時間はギネス記録の認定を受けた当時の新大阪～博多の所要時間を再現する格好だ。

500系による「のぞみ」の運行は2010年で終了。これを機に8両編成に短縮され、現在は基本的に山陽新幹線の「こだま」で運用されている。老朽化のため2027年までに全車引退の予定だ。