JR西日本は7月24日、山陽新幹線で運用している500系電車を引退させると発表した。現在残る編成は老朽化のため順次引退し、2027年をめどに営業運転を終了する。
500系は1997年にデビュー。山陽新幹線の高速化を目的に開発され、1998年までに144両(16両9編成)が製造された。トンネル微気圧波対策として先頭部はロングノーズ形状を採用。ジェット戦闘機のような姿は高い人気を博した。
当初は東海道・山陽新幹線の東京~博多を直通する「のぞみ」を中心に運用された。設計上の最高速度は320km/hで、営業最高速度は東海道新幹線が270km/h、山陽新幹線は300km/h。国内初の300km/hでの運転を実現し、当時はフランス高速鉄道(TGV)などと並び世界最速の列車だった。
しかしN700系電車の導入に伴い、2010年までに東海道・山陽新幹線「のぞみ」での運用を終了。8両編成に改造され、2008年から山陽新幹線「こだま」で運用されるようになった。2015年から2018年までアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボ列車として運用されたほか、2018年からはサンリオのキャラクター「ハローキティ」とのコラボ列車として運行されている。現在運用されている500系は48両(8両6編成)だ。
今年2024年2月に発表された計画では、2024年度から2026年度にかけ既存のN700A電車のうち4編成を対象に8両編成に改造。これに伴い500系の6編成のうち4編成を2026年度末までに用途廃止するとしており、2027年度初頭時点で500系は残り2編成になるとみられていた。
今回の発表では、N700Aの10編成を対象に8両編成化の改造を2026年度から2029年度にかけて実施。これにより500系の営業運転は2027年をめどに終了する予定とした。JR西日本は今後、営業運転の終了までに各種企画を実施するとしている。
《関連記事》
・山陽新幹線の500系「残り2本」に JR西日本、N700S追加投入で「玉突き」引退
・斉藤国交相「のぞみ広島通過の可能性」に言及した過去 当時のJRの反応は?