黒部峡谷鉄道の折り返し地点「乗降可能」に ホーム整備「休憩時間」確保



黒部峡谷鉄道(富山県)は8月19日、トロッコ列車の折り返し地点となっている猫又駅について、10月5日から同駅での乗り降りできるようにすると発表した。

黒部峡谷鉄道の猫又駅。【画像:WATERWATER/写真AC】

黒部峡谷鉄道は1月の能登半島地震による落石で猫又~鐘釣の橋梁(鐘釣橋)が損傷する被害が発生。この影響で猫又~欅平の運転を見合わせており、現在は宇奈月~猫又のみ運行している。猫又駅は本来は業務用の駅のため乗り降りできず、同じ列車に乗ったまま折り返す。

黒部峡谷鉄道によると、猫又駅はホームの長さが旅客列車の編成に対応していないなどの理由で現在は乗り降りできないが、新たにホームを整備して10月5日から乗降できるようにする予定という。ただし猫又駅での乗降は「トイレ休憩」の扱いで、同じ客車に乗車して折り返す必要があるのは変わらない。これに伴い運行時刻も10月5日に変更。猫又駅での折り返し時間を20分程度とし、休憩時間を確保する。

黒部峡谷鉄道は鐘釣橋の損傷により宇奈月~猫又で折り返し運転を実施している。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

黒部峡谷鉄道は運休中の猫又~欅平について、落石防止対策などの復旧工事が当初の見込み以上に時間がかかるとして今年2024年中の再開を断念しており、全線再開は来年2025年以降の見込みだ。

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