JR九州は7月9日、新幹線の線路保守作業の一環として「レール削正車」を追加導入すると発表した。九州新幹線の長崎ルート・武雄温泉~長崎間(西九州新幹線)の2022年度秋頃の開業を見据え、線路保守作業の強化を図る。
新たに導入するレール削正車は製造国がイタリアで、メーカーはスペノ・インターナショナル社(スイス)。全長約38mの3両編成で重さは約120t、最高70km/hの速度で走れる。作業時の速度は4~6km/hで、一晩あたり700m程度を削正できる。
7月15日に熊本港に陸揚げされ、熊本新幹線保守基地に搬入される予定。11月頃から使用開始の予定だ。その後は従来のレール削正車を含む2台体制で九州新幹線・博多~鹿児島中央間と西九州新幹線の線路保守を行う。追加投入するレール削正車は九州新幹線・博多~鹿児島中央間で使用される。
レール削正車は搭載された砥石でレール頭部を削って正常な形にする(削正する)大型機械。レールの表面は列車が繰り返し走行することで車輪との接触面に傷が発生しやすく、定期的にレールを削って傷が発生しやすくなった表面部分を除去することで、レールの寿命を延ばすことができる。レールの表面を滑らかにできるため、騒音対策としても有効だ。
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