伊予鉄道の郊外線に新型車両「7000系」30年ぶり、もと京王車の700系は引退へ



伊予鉄道は11月14日、新型車両「7000系」電車を鉄道線(郊外線)に導入すると発表した。2025年2月にデビューする予定。同社が新造・新型の車両を郊外線に導入するのは、1995年に製造された610系電車以来、30年ぶりになる。

7000系の外観イメージ。【画像:伊予鉄道】

車体はオレンジと黒の2色でデザインした軽量ステンレス製で、先頭部はやや丸みを帯びた形状。伊予鉄道は「乗ってみたくなる未来型流線形のフォルム」「オレンジ色のカラーリングによる愛媛らしさを表現」としている。1両の長さと幅は18m×2.7mで従来車両の700系電車と同じだ。

車内はバリアフリーに対応。車椅子スペースを設け、LCDの案内表示器を設置する。案内は行き先や次の駅の英語表記、英語車内アナウンスで外国人観光客に対応。すべてのドアの上部にデジタルサイネージを導入し、中づり広告のない広々とした車内にするという。

照明設備はLEDを採用。マイコン制御の空調設備を備え、窓は熱線吸収ガラス窓を採用する。補助電源装置(静止型変換装置)は高効率化による省エネ型。車両情報制御装置も導入する。制御装置はVVVF制御と回生ブレーキを採用し、700系に比べ使用電力を約50%削減するという。

近畿車両が合計18両を製造し、横河原線・高浜線・郡中線の郊外全線で運用する。まず2025年2月に6両(3両編成2本)を導入。2026年2月と2027年2月も各6両(3両編成2本)導入する。3年間の投資額は約39億円で、環境省の国庫補助金を活用する予定。

7000系の導入で引退する700系。【画像:ueworks/写真AC】

7000系の導入に伴い700系は順次引退する。700系は京王帝都電鉄5000系電車(初代)を改造したもので、1987年から1994年にかけ導入された。

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