伊予鉄道「運転士不足」ダイヤ改正 「坊っちゃん列車」運休、13時台で運休する路線も



伊予鉄道は10月13日、ダイヤ改正を11月1日に実施すると発表した。「電車・バスの深刻な運転士不足および2024年問題」に対応するとし、大幅な減便を行う。

当面のあいだ運休することになった松山市内線の「坊っちゃん列車」。【撮影:草町義和】

郊外電車は土曜・休日の郡中線で減便。松山市発9~20時と郡中港発9時09分~19時49分のあいだは現在15分間隔のところ20分間隔に拡大する。松山市発20時00分以降と郡中港発20時29分以降は30分間隔に。一部の時間帯で現在より間隔が拡大する。

市内電車は松山市駅線の松山市駅発9時15分~21時27分と道後温泉発8時51分~21時03分のあいだ、現在10分間隔のところ12分間隔に拡大。本町線は平日、松山市駅発13時18分以降と本町6丁目発13時40分以降を運休する。観光列車「坊っちゃん列車」は当面のあいだ、運休する。

松山市内線の道後温泉停留場。【画像:nekko_nekon/写真AC】

このほか、同じグループの伊予鉄バスも11月1日にダイヤ改正を実施。松山観光港リムジンバスは道後温泉行きを現在11便のところ3便に減らし、松山観光港行きは全便運休する。新居浜特急線は現在12往復のところ8往復に。八幡浜・三崎特急線は一部の便が区間運休する。ほかにも市内路線やループ線で最終便の繰り上げや減便、土曜・休日の全便運休などが計画されている。

バスやタクシー、トラックの運転手不足は少子高齢化や低賃金の影響で近年深刻化。これに来年2024年4月から始まる労働時間の上限規制(2024年問題)もあり、各地で利用者の減少ではなく運転手不足で減便するケースが相次いでいる。鉄道の運転士不足も顕在化しており、福井鉄道や島原鉄道(長崎県)など地方の鉄道を中心に減便を計画、実施しているところがある。

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