遠州鉄道の運賃改定認可、新定期券で「値上げを1年遅らせる方法」も



国土交通省の中部運輸局長は2月6日、遠州鉄道(静岡県)が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて遠州鉄道は、実際に適用する運賃(実施運賃)を上限運賃と同額で設定して2月7日に届け出た。4月1日から値上げする。

遠州鉄道の列車。【撮影:草町義和】

全体の改定率は11%で、普通旅客運賃の改定率は9.7%。初乗り(4.0kmまで)は現行140円のところ20円値上げして160円にする。4.1km以上の区間は8.0kmまでが一律20円の値上げ。8.1km以上の区間は一律30円の値上げになる。

普通旅客運賃の現行運賃と改定運賃。【画像:遠州鉄道】

定期旅客運賃の改定率は13.2%で、通勤が17.6%なのに対し通学は5.7%に抑える。1カ月で3.0kmまでの区間は、通勤が現行5760円のところ1350円値上げの7110円。通学は現行3880円のところ440円値上げの4320円になる。このほか、定期券の通用期間を延長。現在は1・3・6カ月の3種類を設定しているが、新たに12カ月を設定する。

12カ月用の定期券は今年2024年4月1日以降を利用開始日とする場合に発売するが、値上げ前の2024年3月31日までに購入することが可能だ。その場合は現行運賃で発売額を算出するため、実質的には値上げされる日を1年遅らせることができる。

通勤定期旅客運賃の現行運賃と改定運賃。新設される12カ月用は3月31日までなら現行運賃で購入できる。【画像:遠州鉄道】

たとえば18.0kmの区間の通勤定期の場合、現在は6カ月定期2枚で22万220円なのに対し、12カ月定期の発売額は4月1日以降の購入で24万4620円。ただし3月31日までに購入すれば、利用開始日が4月1日以降であっても現行の6カ月定期2枚と同額の22万220円で購入でき、改定運賃より2万4400円安くなる。

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