ひたちBRT「自動運転」営業開始日が決定 中型バス初、1~2年後「乗務員なし」へ



みちのりホールディングスや同社グループの茨城交通などは1月24日、茨城交通が運行するバス高速輸送システム(BRT)「ひたちBRT」で、特定条件下での完全自動運転(レベル4)による営業運行を2月3日に開始すると発表した。

レベル4営業運行で使われる茨城交通の中型バス。【画像:みちのりホールディングス】

ひたちBRTは、日立市内のおさかなセンター~南部図書館~大甕駅西口~河原子~多賀駅前の約8.5kmを結ぶBRT。このうち南部図書館~河原子の約6.1kmは日立電鉄線(2005年廃止)の廃線跡を再整備したバス専用道を走る。

レベル4はバス専用道を走行するなど一定の条件下での完全自動運転を行うもの。茨城交通もバス専用道に限定してレベル4の営業運行を行う。専用道の前後にある一般道区間は従来通り手動運転だ。

自動運転は専用道区間で行われる。【画像:みちのりホールディングス】

バス専用道区間は14カ所に停留所があるほか、一般道との交差部が11カ所、歩行者などの横断部が15カ所含まれる。また、車道と歩道のあいだにガードレールなどがある場所や縁石のみで仕切られている場所が混在。手動運転のバス車両とのすれ違いなど、さまざまな走行環境が含まれる。

営業運行で使用するレベル4のバス車両は「いすゞ エルガミオ」の中型バス。寸法は全長8990m×全幅2480mm×全高3045mmで、定員は28人(着座のみ・乗務員席含む)だ。最高速度は約40km/h。LIDARやカメラ、ミリ波レーダー、ジャイロセンサー、GPS受信装置など自動運転を行うための各種センサーを備える。

レベル4によるバスの営業運行は昨年2024年12月、伊予鉄バス(愛媛県)が国内で初めて開始。伊予鉄道高浜線の終点・高浜駅から松山観光港まで約800mの一般道を自動運転しているが、車両は小型のバスを用いている。

みちのりホールディングスや茨城交通などによると、国内で一般的に使用される中型バスのレベル4営業運行は国内初。今後はレベル4での走行実績を積み重ねるとともに技術開発をさらに進める。1~2年後の2026年度中には、車内に保安員などの乗務員がいない、国内初の無人自動運転による営業運行の実施を目指すという。

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