鉄道会社の社員相互受入「全国78社」に拡大 民鉄協、九州→東北なども可能



日本民営鉄道協会(民鉄協)は1月10日、人材の相互受入スキーム「民鉄キャリアトレイン」の対象となる鉄道会社を拡大すると発表した。

九州の鉄道会社の運転士が東北の鉄道会社に移るイメージ。【画像:いらすとや、加工:鉄道プレスネット】

このスキームは、結婚や配偶者の転勤、家族の介護などに伴う転居で就労の継続が困難になった社員を、鉄道各社で相互に受け入れるというもの。2018年に大手私鉄16社が立ち上げたもので、今回、全国の中小私鉄や第三セクター鉄道を含む78社に拡大する。従来のスキームでは参加各社間で人材受入の検討を行っていたが、今後は民鉄協も連携して行う。

たとえば、九州の中小私鉄に勤務する運転士が引っ越しで東北の第三セクター鉄道に移るなど、さまざまな地域でこのスキームを利用できるようになる。再転居などで元の所属会社への復帰、再入社を認める場合もあるという。

民鉄協によると、昨今の民鉄業界は労働人口の減少や経済活動の回復状況、働き方改革など、さまざまな要因による人材不足への対応が深刻な課題になっている。民鉄キャリアトレインの対象を拡大することで、業界内における多様な働き方の実現や人材確保・ノウハウの継承などに取り組むという。

1月10日以降の民鉄キャリアトレイン参加会社は次の通り。

●北海道・東北
津軽鉄道
仙台臨海鉄道
秋田内陸縦貫鉄道
由利高原鉄道
山形鉄道
阿武隈急行
会津鉄道
道南いさりび鉄道

●北陸信越
上田電鉄
長野電鉄
万葉線
北越急行
黒部峡谷鉄道
のと鉄道

●関東
上信電鉄
秩父鉄道
新京成電鉄
銚子電気鉄道
東武鉄道
西武鉄道
京成電鉄
京王電鉄
小田急電鉄
東急電鉄
京浜急行電鉄
東京地下鉄
相模鉄道
富士山麓電気鉄道
いすみ鉄道
関東鉄道
京葉臨海鉄道
首都圏新都市鉄道
千葉都市モノレール
北総鉄道
野岩鉄道
横浜シーサイドライン

●中部
伊豆急行
伊豆箱根鉄道
岳南電車
豊橋鉄道
名古屋鉄道
えちぜん鉄道
福井鉄道
愛知環状鉄道
愛知高速交通
東海交通事業
養老鉄道
四日市あすなろう鉄道
伊賀鉄道
衣浦臨海鉄道

●関西
京福電気鉄道
叡山電鉄
近畿日本鉄道
南海電気鉄道
京阪電気鉄道
阪急電鉄
阪神電気鉄道
北大阪急行電鉄
嵯峨野観光鉄道
和歌山電鉄
能勢電鉄
信楽高原鉄道
WILLER TRAINS
六甲山観光
神戸新交通

●中国
広島電鉄
一畑電車
若桜鉄道
智頭急行
井原鉄道

●四国
高松琴平電気鉄道
伊予鉄道

●九州
西日本鉄道
長崎電気軌道
熊本電気鉄道
松浦鉄道
くま川鉄道
肥薩おれんじ鉄道

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