いち早く現地に派遣「鉄道災害調査隊」鉄道・運輸機構が創設 災害復旧の早期化図る



国土交通省は6月1日、鉄道・運輸機構が「鉄道災害調査隊」を創設したと発表した。自然災害などで被災した鉄道に派遣して被災状況の調査など技術的な支援を行い、早期復旧を図る。

2005年の台風で橋梁が流出するなど甚大な被害が発生した高千穂鉄道(写真は2007年)。【撮影:草町義和】

鉄道・運輸機構は被災した鉄道事業者による国交省への要請に基づき、調査隊をいち早く現地に派遣。被災状況の把握や個別施設の被害状況の調査、復旧早期化の支援を行う。これらの調査や支援で鉄道・運輸機構が鉄道事業者に費用負担を求めることはないという。

調査隊は初動支援として、現地踏査や小型無人機(ドローン)の活用により被災現場の全体像を把握。二次災害発生防止のための技術的助言も行う。続いて個別の施設ごとに被害状況を把握し、鉄道事業者が実施する応急復旧に対する技術的助言を行う。早期の本格復旧に向けた支援も行い、必要な追加調査項目や恒久的な復旧対策について鉄道事業者に助言するとともに、助言や調査結果をまとめた報告書を取りまとめる。

被災後の高千穂鉄道の亀ヶ崎駅。路盤の流出でレールが傾いている。【撮影:草町義和】

国交省によると、近年は激甚化・頻発化する自然災害で多くの鉄道が被災し、鉄道の復旧が長期化するケースが相次いでいる。被災した鉄道施設の復旧には土木・軌道・建築など幅広い分野の専門的な知見が必要だが、中小の鉄道事業者では人員不足で十分な体制を確保するのが困難な状況が見受けられるという。

こうしたことから、鉄道の整備について豊富なノウハウを持つ鉄道・運輸機構の職員を現地に派遣。被災状況調査をはじめ鉄道事業者などを技術的な観点から支援する調査隊を創設することになったという。

国交省はこれまでも、鉄道の災害復旧支援で地方運輸局から緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を派遣するなどの支援を行っている。同省は鉄道・運輸機構の調査隊による支援活動と連携することで、復旧の早期化を図っていくとしている。

鉄道・運輸機構も同様の支援を行ったことがある。2019年10月には三陸鉄道リアス線・宮古~釜石が台風19号の影響で甚大な被害が発生。三陸鉄道から支援要請を受けた機構はただちに職員を派遣して現地調査に入り、調査結果の報告や運転再開に関する技術的な助言など、復旧に向けた全面的な技術支援を行ったという。三陸鉄道は同年11月に一部区間の運転を再開。翌2020年3月には全線の運転を再開しており、鉄道・運輸機構は早期復旧に協力したとしている。

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