東海道本線「新駅周辺」「車両工場跡地」連携の再開発スタート 藤沢・鎌倉



都市再生機構(UR都市機構)の東日本再生本部は10月30日、村岡・深沢地区土地区画整理事業(神奈川県)の事業計画認可を国土交通大臣から受けたと発表した。JR東日本の村岡新駅(仮称)の予定地周辺と車両工場跡地を含む大規模なまちづくりがスタートする。

土地区画整理事業の実施範囲(赤枠)。【画像:UR都市機構】

施行地区の面積は約38ha。藤沢市域で村岡新駅予定地周辺の村岡工区(約7ha)と、近くに湘南モノレールの深沢駅がある鎌倉総合車両センター深沢地区跡地を中心とした深沢工区(約31ha)に分かれる。

村岡工区では村岡新駅の設置にあわせ、南北の駅前広場の整備や都市計画道路藤沢村岡線の拡幅、十二天公園や区画道路などの公共施設を整備。藤沢市は新駅を核とした研究開発拠点の形成を目指す。

深沢工区では、都市計画道路腰越大船線の拡幅や市道常盤梶原線の改修、都市計画道路腰越大船線と市道大船西鎌倉線を結ぶ区画道路や公園などの公共施設を整備する。鎌倉市は市役所本庁舎の移転も含めた再開発を行う考え。

事業期間は清算期間も含め2023~2038年度。事業費は約345億円としている。このほか、村岡工区と深沢工区を結ぶ道路を別途事業で整備し、両地区の連携と一体化を図る。

村岡工区と深沢工区の位置。【画像:神奈川県】
各工区に整備される公共施設の構成。【画像:UR都市機構】

村岡新駅は湘南貨物駅(1985年廃止)があった場所に整備される東海道本線の新駅で、大船駅から約2.6km、藤沢駅から約2.0kmに設けられる。開業は2032年ごろの予定。鎌倉総合車両センター深沢地区はJR東日本の鉄道車両の法定検査のうち重要部検査と全般検査を行っていた車両工場だったが、保守体制の変更に伴い検査業務が東京総合車両センターと大宮総合車両センターに移り、2006年に閉鎖された。

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