気仙沼線BRTの自動運転バス「レベル4延期」一般道への迂回も継続



JR東日本は10月28日、気仙沼線BRT(宮城県)の自動運転バスについて、秋ごろを目指していた「レベル4」での運転開始を延期すると発表した。

気仙沼線BRTのバス。【画像:JR東日本】

気仙沼線BRTは石巻線の前谷地駅から柳津や本吉を経由し、大船渡線の気仙沼駅を結ぶバス高速輸送システム(BRT)。前谷地~柳津は鉄道の気仙沼線に並行して一般道を走り、柳津~気仙沼はおもに気仙沼線の線路跡地を整備した専用道を走る。2022年12月から専用道の柳津~陸前横浜の約4.8kmで「レベル2」による自動運転バスが運行されている。

レベル2は運転士の監視のもとで車線変更などを自動化するもの。JR東日本は専用道の走行など特定の条件下に限り運転士の操作や監視が不要な完全自動運転になるレベル4への引き上げを計画している。今年2024年3月、柳津~陸前横浜のレベル4による自動運転の認可を受けていた。

JR東日本によると、これまで2024年秋ごろからレベル4での自動運転の開始を目指していたが、各種試験や工事、手続きの進捗状況を勘案して開始時期を見直すことにしたという。新たな運転開始時期は示していない。

気仙沼線BRTのルート(赤=専用道を走行、青=一般道を走行、緑=鉄道の気仙沼線に並行して一般道を走行)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

気仙沼線BRTでは自動運転に対応するため、柳津駅から水尻川AP(陸前戸倉~志津川にある専用道と一般道の接続地点)の区間が工事中。同区間では手動運転バスによる一般道への迂回運転を実施している。11月ごろまで迂回運転を実施する計画だったが、JR東日本はレベル4運転の延期に伴い、迂回運転を当面のあいだ継続する考え。現行の運行ダイヤは変更しない。

《関連記事》
気仙沼線BRTの一部「完全自動運転」認可 60km/h日本初、営業運行いつから?
新金貨物線の旅客化「バス専用道案」鉄道との比較で浮上 貨物列車の扱いは?