銚子電鉄の新車両「中古の中古ではない」「北ではない」社長がヒント示す



銚子電鉄(千葉県)の竹本勝紀社長は7月17日、同社が導入する「新車両」について、いくつかの「ヒント」を示した。詳細は8月に発表される見込み。

銚子電鉄の3000形。もとは京王5000系(初代)で伊予鉄道を経て銚子電鉄が譲り受けた「中古の中古」だ。【撮影:草町義和】

竹本社長は7月9日に行われた開業100周年記念イベントで「新車両」の計画を発表。ほかの鉄道から中古車両を購入して導入するとした。どの鉄道からどの車両を購入するかなど詳細は明らかにしなかったが、「あっちのほう」と購入先の鉄道がある方角を指し示したという。

銚子電鉄は7月17日夕方にYouTubeでのライブ配信を実施し、竹本社長が出演して「いま走っている車両はすべて中古の中古だが、今回導入するのは中古車」と述べた。イベントで指し示した方角については「北のほうを指していたように見えたようだが、おわびして訂正する。北のほうではない。東は米国のほうに行っちゃう」と話し、銚子の南か西のほうにある鉄道から購入する考えを示唆した。

銚子から南と西の方角。【画像:ともな/イラストAC(地図)、撮影:草町義和(背景)、加工:鉄道プレスネット】

銚子電鉄は現在、旅客列車用の電車として2000形4両(2両編成2本)と3000形2両(2両編成1本)の合計6両を保有している。いずれも京王帝都電鉄(現在の京王電鉄)の車両を伊予鉄道(愛媛県)が譲り受け、それを銚子電鉄が譲り受けた「中古の中古」だ。製造から60年ほど経過しており、老朽化が課題となっていた。

2000形は1962年に京王帝都電鉄2010系として製造されたもので、1984年から1985年にかけて伊予鉄道が譲受。2010年から銚子電鉄で運用されている。3000形は1963年に京王帝都電鉄5000系(初代)として製造され、1986年から1988年にかけ伊予鉄道が譲受。2016年から銚子電鉄で運用されている。

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