ひたちBRT「完全自動運転」認可、営業運行へ 国内最長、廃線跡活用の専用道を走行



国土交通省の関東運輸局長は11月26日、自動運転のベンチャー企業「先進モビリティ」(茨城県つくば市)が申請していた、ひたちBRT(茨城県日立市)の完全自動運転(レベル4)を認可した。本年度2024年度中の営業運行開始を目指す。

ひたちBRTのバス。【画像:先進モビリティ】

認可されたのはひたちBRTの運行区間のうち、南部図書館~河原子の約6.1kmを結ぶ専用道区間。専用道を走行するときに限り、運転士が乗務しない完全な自動運転で運行できる。車両はいすゞ自動車のバス車両「エルガミオ」で最高速度は40km/h。先進モビリティによると、レベル4の認可を受けた区間としては国内最長という。

ひたちBRTは日立市内で運行されているバス高速輸送システム(BRT)。専用道は2005年に廃止された日立電鉄線の線路敷地を活用して日立市が整備し、2013年から2018年にかけ使用開始した。バスの運行は茨城交通が行っている。2018年から自動運転の実証運行が行われている。

廃止された日立電鉄線のルート(赤・青)。バス専用道として再整備された区間(赤)で自動運転レベル4の認可を受けた。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

自動車の自動運転のレベル4は、バス専用道など特定の条件下での完全自動運転。昨年2023年4月、京福電鉄永平寺線(2001年運休、2002年廃止)の廃線跡を活用した遊歩道を走る小型車両が国内初のレベル4の認可を受けた。今年2024年3月にはJR東日本の気仙沼線BRT(宮城県)がレベル4の認可を受けており、営業運行に向け準備を進めている。

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