ほぼ高架鉄道「ベトナム初の地下鉄」ホーチミンで開業 日本が支援、車両は日立



ベトナム南部のホーチミンで12月22日、日本の支援により建設されたホーチミン・メトロ1号線が開業した。

2024年12月22日に開業したホーチミン・メトロ1号線。【画像:国際協力機構】

1号線は総延長19.7km・14駅の都市鉄道。ホーチミン中心部にある起点のベンタイン駅はベトナム国鉄のサイゴン駅から南東約2.6kmの位置にあり、北部地方行きバスターミナルがある北東部のスオイテイエンターミナル駅を結ぶ。

軌間は1435mmの標準軌で複線・電化(直流1500V)。日本の国際協力機構(JICA)などは「ベトナム初の地下鉄」とアピールしている。ただし地下区間はベンタイン寄りの2.5km・3駅のみで、それ以外はほぼ高架鉄道だ。建設には日本の清水建設や前田建設工業が関わった。

ホーチミン・メトロ1号線の位置(赤、点線は地下区間)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】
シールド工法で建設された地下区間のトンネル。【画像:国際協力機構】
ベンタイン駅の構内。【画像:国際協力機構】
オペラハウス駅の構内。【画像:国際協力機構】
駅のホームにはホームドアが設置されている。【画像:国際協力機構】

軌道や電気・保安・営業の各種設備は日立製作所が整備し、車両も同社が51両(4両17編成)製造した。保安システムは無線式列車制御システム(CBTC)を採用している。このほか、東京メトロも建設や運営について技術協力した。

車両は日立製作所が製造した。【画像:日立製作所】

2012年に着工したが、手続きの不備に加えコロナ禍も影響して工事は大幅に遅れた。投資総額は2022年12月時点で約43兆7000億ドン(約2447億円)。このうち約8割が円借款で賄われる。

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