BRTひこぼしラインの開業日「8月28日」日田彦山線の一部をバス転換、県境は専用道



JR九州は4月26日、日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン、福岡県・大分県)の開業日を8月28日に決めたと発表した。日田彦山線のうち水害の影響で運休中の区間を鉄道からバス高速輸送システム(BRT)に転換し、6年ぶりに営業を再開する。

BRTひこぼしラインのバス専用道に変わる日田彦山線の栗木野橋梁。【画像:恵藤/写真AC】

BRTひこぼしラインの運行区間は添田~夜明・日田の約40km。添田駅から彦山駅までは一般道を走る。県境を含む彦山駅から宝珠山駅まで約14kmは、日田彦山線の線路敷地を活用したバス専用道を走行。宝珠山駅から夜明駅までは一般道を走り、夜明~日田は久大本線に並行する一般道を走る。

BRTひこぼしラインのルート。県境とその前後の区間は線路敷地を活用した専用道を走る。【画像:JR九州】

運休前は久大本線への乗り入れ区間を含む添田~日田で12駅あったが、BRT転換後は、その3倍となる36停留所を設置。これまで近くに駅がなかった沿線の集落や病院、学校などにも停車する。車両は中国BYD製の小型電気バス4台といすゞ自動車製の中型ディーゼルバス2台を導入する。

BRTひこぼしラインに設けられる停留所。従来の駅の3倍になる。【画像:JR九州】

今年2023年3月からバスの試運転が始まった。JR九州は道路運送法に基づく専用道の検査と認可に合格した場合、8月28日に開業するとしている。

日田彦山線は城野~夜明の68.7kmを結ぶ鉄道路線。列車は日豊本線や久大本線に乗り入れて小倉~日田を走る。県境とその前後の区間は2017年7月の九州北部豪雨で橋脚の傾斜や路盤の流失、駅舎の倒壊など大きな被害が発生し、添田~夜明29.2kmが運休中。バスによる代行輸送が行われている。

運休区間を含む田川後藤寺~夜明の輸送密度は運休前の2016年度で299人と少なく、施設の復旧にも膨大な費用がかかることから、JR九州は鉄道を廃止してBRTに転換することを提案。沿線自治体も2020年7月までにBRT転換に正式合意した。

※記事を差し替えました(2023年4月26日19時41分)

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