BRTひこぼしライン棚田親水公園駅「中止」に 高低差など課題、専用道の拡大あだに



JR九州と福岡県東峰村は2月9日、日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)の専用道区間の新駅「棚田親水公園駅」について、設置を中止すると発表した。同BRTは従来の鉄道12駅を含む合計37駅で夏頃に開業の予定だったが、1駅減って36駅で開業する。

BRTひこぼしラインのルートと設置が中止された棚田親水公園駅。【画像:JR九州・東峰村】

BRTひこぼしラインは水害で不通になった日田彦山線の代替交通機関として計画されたバス高速輸送システム(BRT)。添田~彦山と宝珠山~日田は一般道を走行し、彦山~宝珠山は日田彦山線の線路敷を活用した専用道を走る。

専用道区間では従来の鉄道4駅(彦山・筑前岩屋・大行司・宝珠山)のほか、彦山~筑前岩屋に深倉駅、筑前岩屋~大行司に棚田親水公園駅を新設する計画だった。このうち棚田親水公園駅は棚田親水公園など周辺施設へのアクセス向上を目的に設けることが計画されていた。

東峰村よると、新駅予定地の地形や高低差、利用者の利便性、工法などを検討した結果、設置を中止することにしたという。棚田親水公園や周辺の集落は山に挟まれた平地にあるのに対し、専用道として再整備される日田彦山線の線路敷地は山腹に張り付くようにして通り抜けており、周辺の平地との高低差が大きい。

BRTひこぼしライン・筑前岩屋~大行司と棚田親水公園の位置。【画像:国土地理院空中写真、加工:鉄道プレスネット】

専用道区間は当初、彦山~筑前岩屋に設けることが考えられていたが、福岡県の要望を受け棚田親水公園駅の予定地とされた部分を含む彦山~宝珠山に拡大された。当初の計画通りなら棚田親水公園付近は一般道を走る区間になり、駅の新設は容易だったとみられる。専用道の拡大があだになった格好だ。

《関連記事》
日田彦山線BRTの駅「鉄道の3倍」に 添田~日田、鉄道より25駅増
「日田彦山線BRT」専用道区間は彦山~宝珠山間に拡大 橋りょうは福岡県が架け替え