翻訳結果が浮かぶ「窓口ディスプレイ」西武駅の切符売場で実験 訪日客対応を強化



西武鉄道は7月5日、「翻訳対応透明ディスプレイ」の実証実験を西武新宿駅の切符売場で実施すると発表した。訪日外国人観光客の受入体制の強化を図る。

翻訳対応透明ディスプレイの駅窓口への設置イメージ。【画像:西武鉄道】

話した言葉の翻訳結果を透明ディスプレイに表示するもの。駅の窓口に設置して客が英語で駅員に話しかけると、駅員の側には日本語への翻訳結果がディスプレイに表示される。駅員が日本語で客に話しかけると、客の側には英語への翻訳結果が表示される仕組みだ。

凸版印刷が開発したシステムで、情報通信研究機構(NICT)が開発した国産翻訳エンジンを活用。この翻訳エンジンは日本語をベースとしていて英語を介さないため、日本語に強く高い翻訳精度を実現するという。日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字)・インドネシア語・タイ語・ベトナム語・ポルトガル語・ミャンマー語・スペイン語・フランス語・フィリピン語の12言語に対応する。

透明ディスプレイは人間の有効視野内に顔と字幕が映る設計。相手の顔と字幕の両方が同時に視野に入る。目線の動きを最小限に抑えた自然な会話空間を演出し、対面での円滑な多言語コミュニケーションを実現するという。

相手の顔と字幕の両方が同時に視野に入る。【画像:西武鉄道】

実証実験では西武新宿駅の特急券売場に設置。7時から20時まで稼働し、ディスプレイの活用方や有用性、特有単語の翻訳精度、対面でのコミュニケーションの有効性などを検証する。実証期間は7月10日から9月末の予定。西武鉄道は秋ごろの本格導入を目指すとしている。

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