東武鉄道の南宇都宮駅リニューアル完了 大谷石の壁を修繕、昭和初期の姿そのまま

LINEで送る
Pocket

東武鉄道宇都宮線の南宇都宮駅で行われていた駅舎のリニューアル工事が11月20日、完成した。外観や内装の形状に大きな変化はないが、開業時の駅舎の姿を可能な限り再現しているのが特徴だ。

リニューアル工事が完了した南宇都宮駅の駅舎。【画像:東武鉄道】

南宇都宮駅は、いまから90年近く前、昭和初期の1932年に開業。駅舎は開業時のものが現在も使われており、地元石材の大谷石が外壁などに使われている。リニューアル工事では、開業当時からある縦貼り・横張りの大谷石、縦長の3連窓、出入口上部の欄間、待合室内の格天井、庇の持ち送りなどを補修により保存しつつ、新たに大谷石の壁面を増設。全体のデザインを統一した。

青緑色の洋風瓦は、釉薬(ゆうやく)の調合と試し焼きを繰り返し、同駅新築時の色合いを再現。待合室の内装などの塗装面は塗膜を調査、分析して、開業当初の色に塗り直した。破風板もバットとボールを模した開業当時にデザインに修復。これは宇都宮市宮原球場の最寄駅であることに由来しているという。

開業時の姿を再現した待合室。【画像:東武鉄道】

このほか、トイレのリニューアルと耐震性の向上、券売機カウンターのバリアフリー化も行われた。トイレは工事完成に先立ち昨年2019年8月から使用開始している。

リニューアル工事に着手する前の南宇都宮駅。【画像:東武鉄道】

大谷石は宇都宮市大谷町で産出される石材で、古くから外壁や塀などの建材として使用されてきた。地下を掘削することで大谷石を採取しており、大量の採石で地下に巨大な空洞ができあがった。1989年に大規模な陥没事故が発生したことでも知られる。

東武鉄道によると、大谷石を多く使用した南宇都宮駅舎は地域のシンボルとして親しまれてきた。近年、大谷石を取り巻く環境は歴史・文化的にも評価されており、2018年5月に文化庁が「地下迷宮の秘密を探る旅 ~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」として日本遺産に選定。南宇都宮駅の駅舎も大谷石文化の一端を構成する文化財になっているという。

LINEで送る
Pocket

関連記事

ページ上部へ戻る