「羽田空港アクセス鉄道」空港内の事業概要まとまる JR「単円」、京急「複合円形」

国土交通省は10月1日までに「羽田空港アクセス鉄道」の事業概要をまとめた。JR羽田空港アクセス線(仮称)のうち空港内の施設を国の事業として整備する。京急空港線の引上線の計画も取りまとめた。

羽田空港第2ターミナルビルからP3駐車場を望む。羽田空港アクセス線の羽田空港新駅はP3駐車場の西側地下に設けられる。【撮影:草町義和】

羽田空港アクセス線で国の事業範囲となるのは空港内の約2.4km。このうち北側の約1.9kmは単円断面のシールドトンネルで整備する。外径は11.6mで、カーブの半径は1202mと402m、勾配は9~33パーミル。

羽田空港新駅の約0.5kmはP3駐車場の北側から西側にかけ地下2層の開削トンネルを整備する。幅は15.9~25.2m、高さは18.1~20.0mで、最急勾配は19パーミル。また、シールドトンネルと開削トンネルの境界に立坑を整備する。

開削トンネルの地下ホーム部は、一部に半径500mのカーブと10パーミルの勾配を設ける。地下1階が線路とホーム、地下2階は機械室。東京モノレールとの交差部はモノレールのトンネルの上を通り、地下2階は設けない。地上との連絡通路は終端側に1カ所整備する。

羽田空港アクセス線の平面図と縦断図。シールドトンネルと開削トンネルで整備される。【画像:国土交通省】
羽田空港アクセス線の横断図。シールドトンネルは単円、開削トンネルは地下2層だ。【画像:国土交通省】

京急空港線の引上線は、京急電鉄の羽田空港第1・第2ターミナル駅のホーム末端からエプロンに向け約330m延伸する。このうちホーム寄りの30mは開削部で、続いて14mが非開削部(推進)。残り285mは複合円形の複線シールドトンネルとして整備する。躯体(くたい)の寸法は高さ9.8m×幅9.0mだが、今後変更される可能性もある。また、引上線の整備にあわせてホーム末端の前後を改築し、第2ターミナルビルと京急駅を結ぶ階段などを移設する。

京急空港線の引上線の平面図(上)・縦断図(下)。空港のエプロン下まで延びる。【画像:国土交通省/京急電鉄】
京急空港線の引上線の横断図。複合円形トンネルを採用する。【画像:国土交通省/京急電鉄】

羽田空港アクセス線はJR東日本が計画している空港アクセス鉄道。田町駅付近から東京貨物ターミナル駅付近まで既存の貨物線を改修し、東京貨物ターミナル~羽田空港新駅間は地下新線を建設する。2029年度の開業を予定している。

京急空港線の引上線は、2016年4月に策定された交通政策審議会答申第198号に盛り込まれた。同答申では京急品川駅の改良(2面4線化)も含め「羽田空港発着列車の増発等によるアクセス利便性の向上」の意義があり、「鉄道事業者において、事業計画の十分な検討や関係者との調整が行われることを期待」とした。事業化には至っていない。

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