都営三田線「6500形」外観・車内を公開 プラス2両の新型、どこまで乗り入れる?



東京都交通局は2月16日、都営三田線の車両基地、志村車両検修場で新型車両「6500形」を報道関係者に公開した。5月14日にデビューする。

報道関係者に公開された6500形。【撮影:鉄道プレスネット】

公開されたのは6500形の第6507編成。8両編成で従来車両の6300形より2両多い。これにより定員は300人ほど増えた。

先頭部の形状はシンプルな平面で黒く塗られ、その周囲を都営三田線のラインカラーである青で囲った。側面は窓の周囲を青で装飾し、ホームドアがある駅でもラインカラーが見えるようになっている。

先頭部はシンプルな平面。【撮影:鉄道プレスネット】
窓周りのラインカラーはホームドア越しでも見えるようにしている。【撮影:鉄道プレスネット】

車内デザインはユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「人にやさしい車両」とし、車椅子やベビーカー、大きな手荷物を持っている客にも利用しやすいよう、すべての車両にフリースペースを設置した。ドア間は6人分のロングシートで、従来車両より一人分少なく、大型化した見通しの良い仕切りを採用した。これにより一人分の座席幅を拡大するとともに、ラッシュ時にスムーズな乗り降りができるよう、乗降口脇のスペースを広くした。つり手は手すりの数を充実させるとともに、低いつり手や荷物棚を設置した。

6500形の車内。【撮影:鉄道プレスネット】
フリースペースはすべての車両に設置。【撮影:鉄道プレスネット】
ドア間のロングシートは6人分。【撮影:鉄道プレスネット】
つり革は高さの違うものを組み合わせて設置している。【撮影:鉄道プレスネット】

ドアの上には多言語対応の液晶モニターを設置し、訪日外国人への案内を充実させる。手持ちのモバイル端末で移動中に必要な情報が入手できるよう、地下鉄車内で無料Wi-Fiサービスを提供する。車内照明はLEDを採用。防犯対策として防犯カメラを全車両に設置した。

ドア上の案内装置。右側に防犯カメラが設置されている。【撮影:鉄道プレスネット】

モーターの制御装置にはSiC素子を適用したVVVFインバーターを採用し、省エネルギー化を図った。都営地下鉄の車両としては、初めて車両情報管理装置を搭載。走行中に車両の各装置の動作情報を車両基地に伝送する。

6500形の運転台。【撮影:鉄道プレスネット】

6500形の営業運転開始は5月14日の予定。2022年度末までに合計104両(8両編成13本)が順次導入される計画で、2月16日時点では64両(8両編成8本)が納入済みだ。これにより6300形の初期に製造された車両(1・2次車)を置き換える。6300形と同様、都営三田線のほか同線との相互直通運転を行っている東急目黒線にも乗り入れる。車両の増加にあわせ、都営三田線と東急目黒線の各駅も8両編成が停車できるよう改良された。

2023年3月には、東急線と相鉄線をつなぐ東急新横浜線・相鉄新横浜線(日吉~新横浜~西谷)が開業する予定だが、交通局の関係者によると、6500形は相鉄本線・いずみ野線に対応した保安装置を搭載していないという。実際にどこまで乗り入れるかも2月16日時点では公表されていない。

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