コロナ禍が収束に向かうなかで鉄道やバスなどの公共交通は利用者数だけでなく忘れ物の件数も「回復」しつつある。相鉄グループの相鉄と相鉄バスの2社は6月26日、昨年度2023年度の鉄道・バスの忘れ物状況を発表した。
2社の2023年度の忘れ物件数は7万6328件で1日あたり約209件。前年度2022年度から8718件(約12.9%)増えた。コロナ禍が本格化する前の2019年度(8万4067件)の9割ほどまで伸びている。月別では10月が5472件で最も少なく、3月が最多の6988件だった。
相鉄の鉄道輸送人員は2022年度比で約7.9%増加しており、2社は「2023年5月に新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に移行したことで、電車・バスのご利用が増加したことが(忘れ物件数の増加の)大きな要因と考えられます」としている。返還数は2万3833件。返還率は約31.2%で2022年度(約31.7%)とほぼ同じだった。
忘れ物の種類別では傘が最も多い1万5009件で全体の2割近くを占めた。珍しい忘れ物としては自動車のナンバープレートや絵画、観葉植物などがあったという。
このほか、ワイヤレスイヤホンなどの普及に伴い音響関連品が2022年度比で約1.3倍、集計システムを導入した10年ほど前の2013年との比較では約3.6倍と引き続き増加した。2社はデジタルサイネージなどでワイヤレスイヤホンの落下について注意を促す案内を掲出するなど注意喚起を行っているとしている。
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