JR西日本は6月15日、「うめきた(大阪)地下駅」に導入する「デジタル可変案内サイン」「フルスクリーンホームドア」の概要を発表した。
デジタル可変案内サインは個々の客ごとに表示内容を変える案内装置。客があらかじめ自身のスマートフォンなどで目的地を登録すると、スマホに「自分専用マーク」が表示される。この状態でデジタル案内板に近づくと、案内板には自分専用のマークと進行方向が連続的に表示される。
客の移動状況や場所に応じた案内を可変的に提供することも可能。ホーム階では運行情報などのシステムと連携させ、さまざまな種類の列車に合わせた案内をホームドアのサイネージで知らせるなどして利便性の向上を図るという。
フルスクリーンホームドアは「ふすま」のように開口部を自在に構成できるタイプ。配線・駆動部などの設備を上部に配置することで扉部をスリム化し、ホーム空間の創出やサイネージによるインタラクティブな案内情報を提供する。
ホームドアと客が接触したり列車とホームドアのあいだに客が残った場合、モーターの負荷検知機能と2Dセンサー、3Dセンサーで検知し、安全性を確保するという。
うめきた地下駅は移設・地下化される東海道本線貨物支線(梅田貨物線)の新駅。現在の大阪駅の北側にある梅田貨物駅跡地の再開発エリア(うめきた2期)に設けられる。来年2023年春の開業の予定。現在の大阪駅と改札内の通路で結ばれ、営業上は同一駅として扱われる。
貨物列車が通過するほか関西空港アクセス特急「はるか」などが同駅を発着する予定。2031年には同駅とJR難波・南海新今宮駅を結ぶなにわ筋線も開業する予定だ。その頃にはドア位置などが異なる多種多様な列車の発着が想定される。
JR西日本によると、同社が現在展開しているホーム柵や各メーカーで開発中の新型ホームドアでは多種類に及ぶ列車への対応が困難なことから、車種に応じて自在に開口部を構成できるホームドアを開発した。このタイプのフルスクリーンホームドアは世界初という。
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