うめきた地下駅「顔認証」「AI案内ロボ」など実験 地上は「みどりの駅ビル」に



JR西日本は3月16日、梅田貨物駅跡地の再開発エリア(うめきた2期)で建設中の「うめきた(大阪)地下駅」について、地下ホームや地上の新駅ビルなどの完成イメージを公開した。同駅の構内や周辺を最新のデジタル技術の実験場「JR WEST LABO」と位置付け、さまざまなプロジェクトの実証実験を行うことも発表。共同で実証実験を行う企業や研究機関を募集する。

うめきた地下駅の地上部(上:2016年、下:完成イメージ)。【撮影・画像:草町義和(上)・JR西日本(下)】

うめきた地下駅は東海道本線貨物支線(梅田貨物線)の移設・地下化にあわせ整備される、島式ホーム2面4線の地下駅。現在の大阪駅とは改札内の地下通路(約70m)と2階の連絡デッキ(約50m)で結ばれ、営業上は大阪駅の一部として扱われる。

「『JR西日本技術ビジョン』の具体化に挑戦する未来駅」とし、デジタル技術を活用した活用したインタラクティブな空間や、「One to One」(個別対応)のデジタル案内、ドアの数や位置が異なる車両が混在していても対応できる「ふすま型」のフルスクリーンホームドアなど、さまざまな技術やサービスを新たに導入する。

地下ホームのイメージ。フルスクリーンのホームドア(左)を設ける。【画像:JR西日本】
コンコースのイメージ。【画像:JR西日本】

地上には地下ホーム直上部に観光バス・タクシー乗り場などを設けた駅前広場を整備。駅前広場の隣接地には地上3階建ての「みどり豊かな新駅ビル」を設ける。敷地面積は約1万2500平方mで、新駅ビルの店舗面積は約3750平方m。

「JR WEST LABO」は「駅の強みであるリアルの拠点性」を生かして展開。駅を中心とした「デジタルとリアルが融合する空間」を創出して新たな価値を提供することや、ロボット・アバターなどの技術を活用して多様な人材が活躍できる空間を創出するという。顔認証サービスやAI案内ロボットなども「JR WEST LABO」での実現を目指す。

「JR WEST LABO」のイメージ。【画像:JR西日本】

うめきた地下駅は2023年春に使用開始の予定。貨物列車が同駅を通過するほか、関西空港アクセス特急「はるか」や紀勢方面の特急「くろしお」が停車する。このほか、現在は新大阪駅を発着しているおおさか東線の列車も、同駅に乗り入れることが検討されているとみられる。

2024年夏頃にはうめきた2期の先行まちびらきが行われ、連絡デッキの使用を開始する。地上部の新駅ビルは大阪万博が開催される2025年春頃にオープンする予定。2027年にはうめきた2期が開業する予定だ。

このほか、2031年春にはうめきた地下駅とJR難波・南海新今宮駅を結ぶなにわ筋線が開業する予定。阪急電鉄の十三駅とうめきた地下駅を結ぶなにわ筋連絡線の整備も構想されている。

《関連記事》
北梅田駅と大阪駅「同一駅」に 改札内通路で連絡、東京駅の京葉線ホームと同じ形態
指定席券売機「AIが応対」JR西日本が京都駅で実証実験 将来はうめきた地下駅に