北梅田駅と大阪駅「同一駅」に 改札内通路で連絡、東京駅の京葉線ホームと同じ形態



JR西日本は3月25日、東海道本線貨物支線(梅田貨物線)の地下化にあわせて建設中の新駅・北梅田駅(仮称、大阪市北区)について、隣接する大阪駅と改札内の連絡通路でつなげると発表した。これにより北梅田駅は営業上、現在の大阪駅と同一駅の扱いに。開業時の駅名も「大阪駅」になり、現在の大阪駅と統合される。

現在の大阪駅と北梅田駅を結ぶ改札内連絡通路のイメージ。【画像:JR西日本】

改札内連絡通路は北梅田駅から地下を南に延びて、現在の大阪駅の西側に設けられる新改札口につながる。今年2020年夏に改札内連絡通路の工事に着手する予定。2023年春には大阪駅の施設の一部として北梅田駅と改札内連絡通路の使用を開始し、新改札口の暫定使用も始まる。

翌2024年夏には北梅田駅周辺の再開発エリア(うめきた2期地区)の街開きが行われ、新改札口も本格的に使用を開始する予定。2031年春になにわ筋線が開業すると、JRのほか南海電気鉄道(南海電鉄)の列車も大阪(北梅田)駅に乗り入れるようになる。

JR西日本は北梅田駅を大阪駅として開業するとしつつ、今後の発表では「うめきた(大阪)地下駅」の呼称も使用するとしている。

梅田貨物線は、吹田貨物ターミナル駅から大阪駅の北側を通り、大阪環状線の西九条駅に延びる貨物線。貨物列車のほか、京都・新大阪方面と関西空港・和歌山方面を結ぶ特急「はるか」「くろしお」が運転されている。

梅田貨物線は現在、大阪市を事業主体とした連続立体交差事業を実施中。大阪駅の北側にあった梅田貨物駅跡地の再開発にあわせて地下化して踏切を解消し、ルートも変更して大阪駅の北側すぐ近くに新駅の北梅田駅を設ける工事が進められている。

記者(草町義和)が2016年に梅田貨物線の工事現場を取材した際、JR西日本は北梅田駅と大阪駅を結ぶ改札内連絡通路の整備や同一駅扱いの可能性について「今後の検討課題」としていた。

従来の駅から離れた場所に同一駅扱いのホームを整備して改札内連絡通路で接続している駅としては、1990年に京葉線が乗り入れた東京駅がある。同駅の京葉線ホームは、東京~有楽町間のほぼ中央で交差する鍛冶橋通りの地下に設けられており、従来からある東京駅のホームや改札口からは約400m離れているが、改札内連絡通路で結ばれていて同一駅の扱いになっている。

北梅田駅の予定地(2016年10月、手前道路の上あたり)。【撮影:草町義和】
梅田貨物線の地下化工事現場(2016年10月、北梅田駅の北側)。【撮影:草町義和】